ニュース
JAL、機内販売を展開する9蒸溜所のクラフトウイスキーを紹介。非航空領域拡大を図る
10年先を見据えた成長戦略「JALグループ経営ビジョン2035」で、非航空領域の収益拡大を目指すJAL。その一環として2023年から取り組むクラフトウイスキーの試飲会を開催し、その魅力を紹介する場を設けた。
日本航空(JAL)は4月22日、全国9つのクラフトウイスキー蒸溜所と連携した試飲会を開催した。一般向けの試飲会は販売後、即完売となったという。
JALでは、機内販売を通じて日本各地の「造り手の思い」を世界へ発信すべく、日本各地の蒸溜所と連携したクラフトウイスキーの機内販売を展開している。JAL ライフコマース事業部長の中村健太郎氏は、「2023年から始めて4年目に入っているが、お客さまからの反響が大きくなっていると手応えを感じ始めているところ」と紹介。JAL限定の希少性もあって注目が高まっている様子だ。
この取り組みをさらに拡大させるべく今回の試飲会開催となったが、これは「JALグループ経営ビジョン2035」で掲げる、2035年に非航空領域の収益拡大を図るものだ。さらに、JAL 執行役員 マイレージ・ライフスタイル事業本部長の西田真吾氏は、「収入は非航空と分類されていても、エアラインだからできることもある。機内販売を通じてブランドや蒸溜所に興味を持っていただきたい。人は関心を持った瞬間に移動したいという欲求が生まれると思っているので、各地の素晴らしいお酒との出会いを、日本中を動き回るきっかけにしたい」と話す。
その言葉を実践するように、購入者が蒸溜所や周辺施設を訪れることでステッカー進呈やマイル付与を行なう施策も5月から開始するといい、これによって単なる物販に留まらず、現地への訪問、体験へと人の流れを生み出したい考えだ。
また、販路については現状、国際線の機内販売が中心となっているが、一部は国内線でも販売。機会があればオンライン販売なども検討はしているものの、「搭乗いただいた国内外の皆さまに広く知っていただきたいという思いがある。希少性の高いウイスキーでもあるので、現状は機内販売を中心に考えている」(中村氏)という。
また、「(一銘柄)400~500本ぐらいで、1か月から2か月で商品を入れ替えている。人気の高い蒸溜所の皆さまなので、あっという間に売れていく」(中村氏)という状況とのことで、買い逃しを避けるべく機内販売の事前オーダーサービスを実施している。
さて、2026年度から2027年度上期にかけてJAL機内販売で取り扱う予定の蒸溜所は9か所。うち7蒸溜所は過去にも取り扱いがあったが、新たに「井川蒸溜所」、「久住蒸溜所」のクラフトウイスキーが販売される予定だ。
会場には、その9つの蒸溜所が集結し、これまで地域の気候・風土、樽の選定など、各社それぞれに特徴のある、こだわりの製法などを解説した。
嘉之助蒸溜所(鹿児島県日置市):吹上浜の海辺に位置し、寒暖差の激しい環境で熟成。3つの蒸留器を使い分け、機内販売品はワイン樽(ピノ・ノワール)で仕上げたピンクがかった色合い。
久住蒸溜所(大分県竹田市):標高600m以上の冷涼な久住高原に位置。ミントのフレーバーが特徴的だという。
厚岸蒸溜所(北海道厚岸町):北海道産の麦や泥炭(ピート)、ミズナラ樽を使用し、「北海道の力」を感じられる商品を提供。二十四節気の「春分」をテーマにした力強い甘みが特徴。
遊佐蒸溜所(山形県遊佐町):鳥海山の麓で、クリーンかつフルーティーなスペイサイドタイプを目指す。希少なミズナラ樽のシングルカスクを提供。
安積蒸溜所(福島県郡山市):創業260年超の老舗で、1946年からウイスキーも製造。盆地特有の寒暖差の中で熟成され、機内販売予定の商品は、フランス産高級ワイン樽で追加熟成したエレガントな味わい。
秩父蒸溜所(埼玉県秩父市):「イチローズモルト」の拠点で、試飲会で用意されたのは、世界5大ウイスキーを秩父で熟成・ブレンドしたというもので、ボーダーレスな価値を掲げる。
井川蒸溜所(静岡県静岡市):南アルプス標高1,200mの秘境に位置。自社林の木材を用いた樽や野生酵母を使用し、山の恵みを表現。
マルス津貫蒸溜所(鹿児島県南さつま市):津貫の熱い環境で梅酒樽を用いて熟成。桃や杏のような濃密な香りと和の爽やかさが調和。
桜尾蒸溜所(広島県廿日市市):瀬戸内海の潮風が吹き込む海辺の貯蔵庫で熟成。ハチミツや紅茶のような香りに潮のニュアンスが混じる。
関連リンク