特集/本誌より
地方発エコノミーでも妥協なし! スターラックス航空、熊本=台北線フライトレポート
ハイレベルなサービスで注目を集め、いま急成長を遂げている台湾の新興航空会社、スターラックス航空。ビジネスクラスはもちろん、エコノミークラスでも快適で上質な空間を提供している。
日本路線は地方都市を含む11空港へ就航している同社。今回はその一つ、熊本=台北(桃園)線に搭乗した。
目次
運航開始から約6年。勢いが止まらない台湾の新興エアライン、スターラックス航空
2020年に運航を開始したばかりの台湾の新興航空会社、スターラックス航空。フリートは全てエアバスの新造機で構成され、ビジネスクラスはもちろん、エコノミークラスでもワンランク上の高級感を感じられる客室とサービスを提供している。一度は乗ってみたいと思う方も多いだろう。
運航開始から約6年が経過した現在もその勢いは衰えず、ワイドボディのエアバスA350ファミリーやA330-900を次々と導入し、北米をはじめとする長距離路線へも進出している。去る2月4日には、初のヨーロッパ路線として台北(桃園)=プラハ線を8月1日に開設することも発表された。
日本路線の展開もハイスピードで進めており、これまでに就航した空港は成田、関西、中部、新千歳、福岡、函館、仙台、神戸、熊本、那覇、下地島の計11空港にのぼる。台北だけでなく、台中からの路線展開にも力を入れているのもポイントで、3月30日には成田=台中線を、3月31日には熊本=台中線を新規就航させた。
地方路線にもワイドボディを積極投入。熊本線は台湾からの訪日需要で好調
今回利用するのは熊本=台北(桃園)線だが、使用機材がワイドボディのA330-900である点に意外性を感じさせる。同社は大都市圏を結ぶ路線には当然A350などの大型機材を投入しているが、地方都市を結ぶ路線においても、ナローボディのA321neoをメインに運用しつつ、需要のボリューム次第ではワイドボディのA330-900も導入しているのだ。
熊本線の就航に際しては、台湾に本社を置くTSMC社の半導体工場に関連したビジネスや貨物需要の取り込みが期待されていたが、実際には搭乗者のほとんどが台湾からの訪日観光客だったというから驚きだ。台湾人には熊本を拠点とした九州旅行が人気で、日本人の利用客はビジネス・観光ともにごく僅か。また価格面でも競争優位性があり、筆者が熊本発の航空券を探した際には、同じ台湾の大手エアラインであるチャイナ エアラインやエバー航空よりも、スターラックス航空の料金が安かったことに驚かされた。
検査後に国内線側で買い物・食事を楽しめる。リニューアルした熊本空港国際線エリア
熊本空港の国際線エリアは2023年3月にリニューアルオープンし、真新しい快適な施設となっている。国際線のチェックインカウンターはターミナルの西端に位置し、出発2時間前には長蛇の列ができる。有人カウンターとセルフ荷物預け入れ機でレーンが分かれていた。
保安検査場は国内線とは別の動線となるが、検査後は一時的に国内線エリアの売店やレストランエリアへ立ち寄れるのが熊本空港ならではの構造だ。ショップやレストランの数はさほど多くはないものの、地元特産物を使った料理を楽しめるなど、時間に余裕があればぜひ立ち寄りたい。なお国内線エリアから戻る際は、出発便1時間前までに国際線エリアへ戻る必要があり、専用ゲートと係員によるチェックが行なわれ、出国審査へと進む。
ゆとりある座席配列と最新設備。A330-900が叶える上質な空間
スターラックス航空のA330-900は、ビジネスクラス28席、エコノミークラス269席の計297席仕様。ビジネスクラスは1-2-1のスタッガード配列で、全席から通路アクセスが可能だ。ドア付きではないものの、高いプライベート性が確保されている。エコノミークラスは、3-3-3配列(横9席)とするエアラインも多い中で、それより1席少ない2-4-2配列(横8席)を採用。筆者は右窓側のK席に座ったが、圧迫感が少なく長距離でも快適に過ごせる座席スペースが確保されていた。
先ほども述べたように、スターラックス航空の機材はすべて新造機であることに加え、A330-900はいずれも導入から4年未満のため、機内全体が非常に清潔に保たれている。また、個人用エンターテインメント(IFE)などの各種設備も最新仕様で、内容も充実していた。熊本から台北までは約2時間半のフライト。短距離ながら、個人用モニターで映画1本を鑑賞できるほどの時間はある。
ほぼ満席で出発したJX847便は熊本空港のRWY07から離陸し、左旋回後に南西へ針路を変え、台北へ向かってほぼ一直線の経路を飛行した。巡行高度は40,000ftで気流も安定しており、ベルト着用サインは上昇中に消灯した。機内Wi-Fiサービス「GALACTIC Wi-Fi」は、ビジネスクラスはすべてのサービスが無料で利用できるが、エコノミークラスはテキスト送受信のみ無料で、インターネット接続は利用できなかった。
機内食はさすがのクオリティ。2時間半では物足りない、スターラックスの魅力あふれるフライト
スターラックス航空のフライトで特に楽しみなのが機内食だ。熊本=台北(桃園)線は短距離ながらホットミールが提供され、同社自慢の美味しい機内食を楽しめる。メニューは1種類のみだが、この日の「麻油鶏と青葱の炊き込みご飯」は台湾らしい味付けで、日本人の口にもよく合った。
ほぼ定刻でRWY05Lに着陸し、桃園国際空港 第1ターミナルの駐機場へスポットイン。スターラックス航空での2時間半はあっという間で、この上質な体験はぜひ長距離路線でも味わいたいと思わせる。A350-1000の導入により、今後はさらなる長距離路線の拡大が見込まれ、日本各地から台北を経由して世界各地へ向かう選択肢もさらに増えるだろう。
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