連載

雄大な十勝平野、航大帯広キャンパスも所在 帯広空港

【連載】ニッポンの空港

文:チャーリィ古庄
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三角屋根の建築が特徴の 空港ターミナルビル。
三角屋根の建築が特徴の空港ターミナルビル。背景に見えるのは日高山脈だ。

ターミナルは黒川紀章の作品

 北海道の静かなローカル空港と思いきや、ここは航空大学校の訓練施設があるため、平日は訓練機がたくさん飛び管制塔のレディオコールも多い空港。黒川紀章氏の設計によるターミナルビルは三角屋根で北海道らしい建築となっているが、展望デッキが室内にありガラス張りになっているため冬季も暖かく利用者にとっては快適だが、撮影という視点で言うならばガラスが厚く正面方向しか狙えないため、背景が美しい空港だけに歯がゆい。
 路線は羽田線のみで、日本航空とAIRDOの2社が運航している。空港の愛称「とかち帯広空港」のとおり十勝平野のなかにあり、冬でも大雪になることは少ない方だ。太平洋側に位置するため晴れの日も多く、視程が良ければ西側に日高山脈が見える。空港の周辺は、ばんえい競馬の厩舎や広大な畑が広がり、空港近郊には観光名所でもある旧広尾線の幸福駅がある。また空港外周の撮影では白樺の木々の上を着陸してくる飛行機や、空港北西の閉鎖されたレジャー施設のヨーロッパ風建物により、日本らしからぬシーンも狙う事ができる。

帯広空港 DATA

帯広空港 DATAOBO/RJCB

標高:149.3m
面積:282ha
運用時間:8:00-21:00
滑走路:RWY17/35(2500×45m)
着陸回数:2018年度6千8百回(国内6千8百回・国際5回) 2019年度 7千9百回(国内7千9百回・国際2回) 2020年度 5千9百回(国内5千9百回)
乗降客数:2018年度 67万9千人(国内67万8千人・国際910人) 2019年度 66万1千人(国内66万1千人・国際508人) 2020年度 19万8千人(国内19万8千人)
貨物取扱量:2018年度 2,237t (国内2,237t)2019年度 1,922t (国内1,922t) 2020年度 585t (国内585t)
就航会社:JAL、ADO
ターミナルビル・貨物施設の管理:北海道エアポート
ターミナル設計会社:黒川紀章
拠点を置く航空会社・組織:北海道警察航空隊
公的機関:国土交通省帯広空港出張所、航空大学校帯広分校、新千歳航空測候所帯広空港出張所
所在地:北海道帯広市
供用開始日:1981年3月1日(旧空港の建設は1937年、陸軍飛行場として)
種別:特定地方管理空港
設置管理者:国土交通大臣(設置者)、帯広市(管理者)

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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