ANAの新ビジネスクラスシート「THE Room FX」発表
『航空旅行』的に絶対に見逃せないニュースが入ってきました。6月17日、ル・ブルジェ(Le Bourget)空港で開催されていたパリ・エアショーにて、ANAはボーイング787-9向けの新型ビジネスクラスシート「THE Room FX」を正式公開したのです。この新シートについて、さっそく詳しく解説してみましょう。

「THE Room」をベースに787用にカスタマイズ
「THE Room FX」は、「THE Room」の名のとおり、すでにボーイング777-300ERに導入されている通路との間にドアが設置されているシート「THE Room」をベースに開発されました。端的に特徴を述べるとすれば、ボーイング787用にカスタマイズした「THE Room」ということになります。
「FX」は“Future Experience”の略です。柔軟な使い勝手と快適性を追求し、103インチ(約206cm)のシートピッチと41.5インチ(約105cm)という超幅広なシートとなっています。個人用モニターは従来比1.4倍の24インチ、ワイヤレス充電・USB-C・Bluetoothにも対応し、仕事をするにしても、映画などのエンタメを楽しむにしても最高の環境です。
また、あらかじめ背もたれをリクライニングさせた状態のプリリクライニング方式を採用しているのも特徴です。これはどういうことかというと、背もたれは後ろにリクライニングしないのですが、電動のリクライニング機構を取り付ける必要がないので、その分、背もたれのクッションを厚くすることができ、例えるならば贅沢なソファのような座り心地を実現しました。幅広なので、これまでよりもより自由な体勢でくつろぐことができます。
就寝時も、そもそもシートピッチが2m以上で幅広ですから、レッグレストを座面と同じ高さまで引き上げると、水平なフルフラットベッドが完成します。







初号機は2026年度に登場予定
さて、この「THE Room FX」、ANAでは長距離仕様のボーイング787-9に導入するとしています。対象となる機数は19機で、初号機は2026年度に登場するとのことです。2026年度というと、早ければ来年4月以降には乗れる可能性があるということですね。
7月14日に発売する『航空旅行vol.51 2025 SUMMER』では、この「THE Room FX」をパリで実際に取材した航空写真家、深澤明さんのインプレッションと共にお伝えします。お楽しみに!
7月14日発売! 『航空旅行 vol.51 2025 SUMMER』
特集「ANAが描く新たな欧州航路」

欧州路線が続々と拡充されたANA。2023年末から2024年にかけて開設されたストックホルム、イスタンブール、ミラノの新3路線を軸に、ANAが描く新たな空の地図を紹介します。これからANAの利用を検討している方には実用的で役にたつビジネス・プレエコ・エコノミークラスの搭乗取材や各都市の魅力を多角的にレポート。また、ANA以外の欧州航路を運航するエアラインについてもそれぞれの特徴を紹介します。
このほかに、エアバスA350-1000の導入により退役フェーズに入ったJALのボーイング777-300ERの歴史やキャビンの振り返り記事や、ボーイング767による貴重な長距離路線であるデルタ航空のハワイ線のレポートも掲載します。
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