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JAL、10年先を見据えた経営ビジョン発表。大型貨物機導入の可能性やマイル事業への注力示す

JALは3月2日、「JALグループ経営ビジョン2035」を発表。10年ビジョンと単年度計画への転換、そして大型貨物機導入やマイル事業への投資など、意欲的な計画を盛り込んでいる。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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日本航空株式会社 代表取締役社長・JALグループCEOの鳥取三津子氏

 JALは3月2日、都内で記者会見を開き、「JALグループ経営ビジョン2035」を発表した。2021年に策定した中期経営計画が終了することを受けて、新たなプランを示すものとなる。

 グループCEOの鳥取三津子氏は、「コロナ禍を経て、我々を取り巻く経営環境は大きく変化している。環境変化を適切に捉え、持続的な成長を続けるために、これまでの“5か年の中期計画とローリングプラン”から、“10年ビジョンと機動的な単年度計画”へ転換する」と表明。抜本的な事業変換にビジョンを見据えて取り組むとともに、単年度計画で機動的かつ柔軟に経営を進める方針。

 2026年度の業績予想を2,050億円に上方修正した連結EBITは、2030年度に3,000億円、2035年度に3,500億円以上を目指す。

 そのために推進するのが「事業ポートフォリオの変革」であるとし、「国際路線事業の成長」、「国内路線事業の構造改革」、「事業投資とグローバル成長」をそのポイントとして示した。

 国際線では、FSC(JAL)、LCC(ZIPAIR、Spring Japan、ジェットスター・ジャパン)、貨物それぞれで強化し、2030年度には国際線のASK(有効座席キロ)を1.3倍に伸ばす計画。

 FSCでは機材を大型化し、2030年度には中長距離機材の構成比を90%(全保有機を99機、うち中長距離機材を89機)へ高める。

 LCCは中長距離路線を担うZIPAIRの機材を、2030年度には2026年度の保有8機から倍増させる。

 貨物は、アジア=欧米間といった長期路線での供給量拡大を狙うべく、大型貨物機の自社導入を検討しているという。「貨物需要はコロナのときに事業の意義が際立った。その後も我々の事業にとって重要な役割を果たしている。ただ、一定のボラティリティはあるので、急激に増やすとは考えていないが、リスクを考えつつ、少しずつでも増強していく意義はあるのではないかと思っている」(鳥取氏)と説明する。

 国内線は早期の利益率10%達成を目標に、収益構造の見直しや効率的な事業運営などを図っていく。その計画には、2027年4月から国内線への燃料サーチャージの導入も含まれているほか、グランドハンドリング領域におけるANAとの協業や、業界横断での取り組みも推進していく考え。

 そして、最後の「事業投資のグローバル成長」については、特にマイル・ライフ事業の強化を軸にしており、マイル発行収入の拡大を図っていく。“マイルを貯める・使う”の魅力を高めるべく、2026年度から2030年度の5年間で800億円以上の戦略投資をするとしている。

「JALグループ経営ビジョン2035で思い描く未来の社会の実現」を表現した新たなブランドスローガン「Soaring Together」も発表した。

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