連載
ジャンボの“真の完成形”。ルフトハンザ・ボーイング747-400の優雅な旅〜連載【パイロットが乗客に! マニアック搭乗記】
現役の機長が1人の乗客として海外エアラインのフライトに搭乗し、パイロットならではの専門的な視点でその模様を紹介する本連載。今回は王道のジャンボ、それも旅客型が残り少ないダッシュ400に搭乗します。それまでの747クラシックから大きく進化し、シリーズ最終モデルの747-8へとつながる原型となったハイテクジャンボ。フランクフルト→バンクーバーのフライトで、最盛期の頃に想いを馳せつつ、改めてその良さを再発見します。
今も多くの747を運航するルフトハンザ
今回の目的は、退役を控えるボーイング747-400に乗る旅。飛行機ファンから愛され、抜群の存在感を放つ元祖ハイテクジャンボも、もうすぐ我々の前から姿を消します。往年の空の主役が提供する異空間をもう一度満喫すべく、日本を発ちフランクフルトへ。ルフトハンザのバンクーバー線に搭乗します。
フランクフルトで待っている747-400は格別の存在感。新塗装を纏い、とても20年選手とは思えない綺麗な外装はさすがルフトハンザです。ジャンボならではの空港における存在感を満喫しているうちにボーディング開始。今回はL1、つまりもっとも機首寄りの乗降口から搭乗します。
今日の自分のシートは、最前方のドアを入って左に曲がったところのビジネスクラス。L1ドアを左に曲がるのは普通、パイロットだけなので、この特別な体験も747ならではです。そう思っていたら、アッパーデッキのお客さんから代わってほしいとの申し出が有ったので、シートを交代してあげることに。2階席もまた747の特等席です。
B20スポットから20分ほど遅れてプッシュバック。プルフォワード(トーイングカーに牽引されて前進)してエンジンスタートします。CF6エンジンのキーンという高いサウンドがとても懐かしいです。747では4発のエンジンを2つずつスタートします。
隣にも-400,そしてタキシーウェイには747-8。ひと昔前は当たり前だった光景ですが、今やフランクフルトでしか見られません。いや、こんな時代に747を多数運航するルフトハンザがすごいのです。なんともいえない安心感、そして贅沢感。こんな光景もあと数年で見納めかと思うと寂しい。-400に乗る機会があって本当によかったです。
順調にタキシーを開始するだけで安心するのは、昔747で何度かエンジンスタート後にGTBした経験があるから。古くなった747-400を万全の状態で飛ばすルフトハンザ・テクニックの技術力も素晴らしいです。それにしてもタキシーしているだけで目線の高さが異様に感じます。787がとても小さく見えました。
いよいよ離陸です。RWY25Cのラインナップでも、「どこまでオーバーステアするの?」と思わず感じるほどの大きさ。そして、離陸滑走を開始。とても重そうに上がる747-400の離陸を久しぶりに体験しました。ちなみにパックオフ(エアコンを切ってエンジンライフを気遣う方法)での離陸です。
4つのエンジンを唸らせながら懸命に高度を上げていく-400。タキシー中のブレーキや、高度1万フィートでの加速など、エアバス機に乗っていると感じない細かい舵の動きが感じられるのは、ボーイングのこの世代の飛行機ならではです。2階席ということもあって、加速すると風切り音がかなり大きく聞こえます。最近の787やA350に乗り慣れていると、ノイズキャンセリングヘッドホンが要らないぐらい静かなのですが、-400ではそのありがたさがよくわかります。
次のページ:
昔の空の旅を思い出す747のフライト
関連記事
関連リンク