ニュース

ハートを2倍に増量――スカイマーク、国内エアライン初導入のボーイング737-8を披露

スカイマークが導入するボーイング737-8の初号機披露式典が開催された。スカイマーク、ボーイング ジャパン両トップのあいさつのほか、運航を支えるスタッフが、737-8によって形づくられる、同社が描く次世代の空の旅の“8つのやさしさ”を披露した。なお、機体の詳細については別記事でレポートする予定だ。

文:多和田新也(編集部) 写真:多和田新也(編集部)
X Facebook LINE

 スカイマークは5月25日、現在運用しているボーイング737-800の後継機として導入する新型機、ボーイング737-8の初号機披露式典を開催した。

 スカイマークの737-8初号機、JA738Aは、シアトルのボーイングフィールドからハワイ・コナ、グアムを経由して、5月4日に羽田空港に到着。5月25日に、関係者を招いての機内外を初披露することとなった。

 すでに慣熟飛行やフィットチェックなどで国内各地を飛んでいるが、定期便としては5月28日の羽田発福岡行き、SKY003便でデビューする予定となっている。

手前が新塗装をまとったボーイング737-8。後ろは現行機の737-800。新塗装はドーサルフィン部分の青色がなくなり、垂直尾翼前縁から胴体へ真っ直ぐに塗装が伸びる。これによって、遠目には非常にスマートな垂直尾翼に映る。

 式典の冒頭、スカイマークの代表取締役社長 執行役員である本橋 学氏が登壇し、日頃の支援への感謝を述べるとともに、新型機導入への期待を語り、日本の航空会社として同機を最初に導入できたことへの喜びを示した。

 ブランドカラーであるスカイブルーを尾翼から機体下部へ流れるように拡張した新デザインについて、「当社の新たなフェーズに向かって、前進を続ける意志を表現した」と説明。さらに、ウイングレットに採用された「ダブルハート」を「ハートを2倍に増量」と表現し、若手社員の着想から生まれたものであり、温かみのある空の旅への思いが込められていると紹介した。

 性能面においては、現行機と比較して約15%の燃料削減効果が見込まれることに触れ、「原油価格の高騰など、より厳しい事業環境に直面するなかで、この優れた環境性能はコスト圧縮に大きく貢献するほか、環境負荷の低減という面でも重要な役割を果たす」と評価した。

 さらに、自身が試験飛行の際にコクピットに同乗したエピソードを明かし、パイロットたちが時間あたりの燃料消費量の少なさに驚いていた様子を振り返り、「カタログの数値だけではない、空の最前線に立つ現場の驚きこそが、この機体の優れた燃費性能をなによりも物語っている」と強調した。

 質疑応答においても本橋氏は、機体の静粛性が向上したことで「隣のお客さまや家族同士での会話のチャンスがより一層増える」と述べ、今後導入される無料機内Wi-Fiサービスや、薄型でありながら疲れを感じさせないというレカロ製の最新シートなどによる快適な空間づくりへの自信を見せた。

 また、将来的な「ボーイング737-10」の導入計画については、「座席数が30席増えることで、これまでこぼれ落ちていた需要をしっかりと捉え、当社にとって収益拡大につなげる大きなゲームチェンジャーになる」として、2027年度の初号機導入に向けて順調に準備が進んでいるとした。

スカイマーク株式会社 代表取締役社長執行役員 本橋 学氏。

 続いて、ボーイング ジャパン社長であるエリック・ジョン氏が登壇し、祝辞を述べた。ジョン氏は、「ボーイングにとって大切なパートナーであるスカイマークの記念すべき737-8初号機のお披露目を、皆さまと一緒に祝うことができ大変光栄」とあいさつ。737-8が同社史上最も売れたジェット機の最新世代であり、前世代の737NGと比較して燃料効率が20%向上、航続距離が25%延長されていること、そして置き換え対象となる737-800と比べて騒音フットプリントを50%低減している実績を強調した。加えて、市場における最も近い競合機よりも燃料消費量と二酸化炭素排出量が5%少ないことにも触れ、「スカイマークがこうした素晴らしい改善内容を最大限に活用され、運航の成功に寄与することを大いに期待している」とした。

 最後に、同社が737のみで全路線を運航する熟達したオペレーターであることに敬意を表し、「ボーイングでは、信頼、協力、未来に向けた共通のビジョンの上に優れたパートナーシップが築かれると信じており、スカイマークとの関係はまさにその好例」と語って、今後の長期的な関係の継続にも期待を寄せた。

ボーイング ジャパン株式会社 社長 エリック・ジョン氏。

 式典ではその後、運航乗務員、客室乗務員、地上旅客スタッフ、グランドハンドリング、エアラインエンジニアリングなど、現場を支えるスカイマークの社員たちが登壇し、新型機に込められた「新たな想い」をリレー形式で発表した。

1.「安心をみがく ―安全への誓い」
 シアトルの工場から同機に向き合ってきた社員は、「一つひとつの部品、細かな挙動まで自分たちの目で確かめ、安全を追求する。すべてはお客さまに安心をお届けするために、私たちの手で新しい安全への誓いを形にした」と語った。

2.「地球をおもう ―エコ性能―」
 環境性能に触れた社員は、1座席あたりの燃料消費量と二酸化炭素排出量を削減できる点を取り上げ、「私たちが大切にしてきた、空を通じて社会をよりよく、というサステナビリティ基本方針のもと、地球を想う空の旅をさらに追求していく」と語った。

3.「安らぎをふかめる ―機内の静寂―」
 機内の静かさを紹介した社員は、「洗練された静かな機内環境が快適な空の旅を支える。お客さまには、会話や休息の時間をこれまで以上に心地よく、フライトそのものをよりゆったりとお楽しみいただける」とアピールした。

4.「地域によりそう ―低騒音―」
 特徴的なギザギザ形状を持つエンジンについて触れた社員は、「離着陸時の騒音を低減します。ご搭乗のお客さまだけではなく、空港周辺の皆さまにもそっと寄り添う、なくてはならない愛される翼として、地域に愛されるスカイマークであり続けるための、人にも地球にもやさしいエンジン」と説明した。

5.「光でいやす ―スカイインテリア―」
 機内の演出を担当する社員は、「窓の外の景色と調和するLEDライティング。空の色と溶け合うような柔らかな光が旅の緊張を解き、お客さまを優しく癒やす。最新の機体でもスカイマークらしい光のおもてなしを継承する」と述べた。

6.「ゆとりをおくる ―新シート―」
 新しく採用されたレカロ製の座席について触れた客室乗務員は、「着席時、膝周りのゆとりはもちろん、全席にUSB Type-Cポート、足元にはコンセントを完備している。どなたにも自分らしくゆったりとした時間を過ごしていただきたい、そんな思いをこの座席に込めた」と語った。

7.「身近さをまもる ―手ごろな運賃の維持―」
 スカイマークの原点に言及した客室乗務員は、「最新鋭の機体になっても私たちの原点は変わらない。安全をすべての基盤とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながらも心のこもった快適な航空サービスを身近な価格で提供する、誰もがいつでも自由に空を飛べる身近さをこれからも私たちが守り抜く」と語った。

8.「未来へつなぐ ―無限の可能性―」
 最後に全体を総括した社員が、「8つのやさしさ、それは空の安全、安心、快適性を作る揺るぎない礎です。無限に続く安全、安心、そして快適な空へ、ボーイング737-8とともにスカイマークの新しい未来をつないでいく」と締めくくった。

関連キーワードもチェック!