747-400D(主翼諸元は747クラシックと同じ)では7.0だったアスペクト比は、最終型の747-8では8.5となった。ただし翼幅が大きくなりすぎたため、空港内での移動や使用できるスポットの制約は大きくなった。
旅客機としては最大の主翼を持つA380のアスペクト比は7.5で、21世紀に入って作られた旅客機としては小さめだ。しかし、これよりも翼幅を大きくすることは空港での受け入れ態勢からもむずかしかった。
787の基本形は767とよく似ているが、大きく違うのが主翼の平面形だ。787の主翼のアスペクト比は8.0だが、787では9.6に達する。ちなみに翼端を伸ばした777-300ERのアスペクト比もほぼ同じ9.6だ。
エアバスは早くからアスペクト比の大きな主翼を採用してきた。たとえばA320ceoは10.3、A330/A340(主翼諸元は同じ)は10.1だ。A320neoでも主翼の変更を必要としなかった理由のひとつといえる。
翼端から発生する誘導渦の気流は胴体側では下向きになるので、主翼まわりの気流を少し下に曲げる。揚力は気流に対して直角に働くので、曲げられた分だけ後ろに傾き、それが抵抗(誘導抗力)になる。
ターボプロップ旅客機のQ400の主翼アスペクト比は12.8に達し、これは旅客機としては最大級だ。ジェット旅客機に限っていえば、E195-E2が12.0という大きなアスペクト比の主翼を持っている。
A330のウイングレット先端から雲が発生している。これは誘導渦によるもので、渦(中心部は気圧が低く雲ができやすい)が強いことを示している。ブレンデッドウイングレットでは見たことがない。
旅客機ではないが、実用機としては最小クラスのアスペクト比を持つF-104戦闘機。主翼のアスペクト比は、わずか2.4にすぎない。
TOP連載一覧翼の縦横比を大きくすることで、抵抗を減らすことができる ~ 連載【月刊エアライン副読本】