航空旅行

憧れる航空の世界_ANAのファーストクラスシート

空の旅の最高峰、ファーストクラス。
憧れますよね。
エコノミークラスはどうしても一人当たりのスペースに限りがあるので、差をつけるのは難しいですが、
ファーストクラスともなると、各社が考える贅を尽くしたサービスが提供されます。
今日はその中からANAのファーストクラス、それもシートに注目してみましょう。

文:『航空旅行』編集部
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The suite cabin
ボーイング777-300ER新仕様機のファーストクラス。個人用モニターがでかい!
Photo:ANA

一つめ_欧米路線向け、最新シート「THE Suite」

 ANAのファーストクラスには3種類のシートがあります。このうち、最新かつもっとも豪華なのが欧米線を中心に投入されているボーイング777-300ER新仕様機のファーストクラスです。世界最高レベルのくつろぎ空間を目指したシートは通路との間に扉を装備する個室型で、「THE Suite」というプロダクト名が与えられています。業界最大級となる43インチの超大型個人用モニターや、同行者と対面で座ることができるオットマン、ハンガーにかけたまま収納できる専用のクローゼットなどもあり、まさに空飛ぶスイートルームと呼ぶにふさわしい豪華仕様です。
 座席数は機体の最前方キャビンに1-2-1の横4席が2列の計8席のみ。シートのクッションには寝具メーカーの西川と共同開発した立体構造ウレタンを採用しています。また窓のシェードは、電動式のブラインドシャッター「HMWS(エレクトリカル・メカニカル・ウィンドウ・シェード)」で、デザインには障子をイメージした和のテイストが取り入れられています。

The Suite Seat
「THE Suite」の全景。居住性や機能性は現時点における航空機シートの中でも最高レベルであることは間違いないでしょう。
Photo:ANA
The Suite_ 43inch
ファーストクラスでも最大級となる43インチモニターは4K画質です。機内とは思えない迫力で映画などを楽しめます。
Photo:ANA
The suite bed
西川製のベッドパッドやコンフォーターでベッドメイキングした状態。枕には高品質のハンガリー産ホワイトダックダウンを使用し、ブランケットも軽くて柔らか。快眠をサポートします。
Photo:ANA

二つめ_ハワイ路線専用エアバスA380のファーストクラス

 二つめのシートは、成田〜ホノルル線に限定投入されているエアバスA380のファーストクラスです。基本的な構造はボーイング777-300ERの新仕様機に近いのですが、細かく見ると違いがあります。
 まず、A380といえば総2階建てであることが最大の特徴ですが、ファーストクラスは2階の最前方に1-2-1の横4席で8席が設定されています。A380はそもそも機内騒音が小さい飛行機ですが、ファーストクラスはエンジンからもっとも遠く離れた2階の前方なので、極めて静かな空間です。シートは通路との間を遮ることができる扉付きの個室型。収納スペースも多く、扉の内側にジャケットなどをハンガーにかけたまましまっておけるクローゼットや、窓側席であればハンドバッグなどを入れておくのに便利な蓋付きの収納もあります。個人用モニターは32インチの液晶で、テーブルはこの個人用モニターの下に収納、引き出して使うのは777-300ERと同じです。
 また、前方階段を登り切ったところの踊り場にファーストクラス専用のバーカウンターもあります。このような設備も超大型機だからこそと言えるものです。

A380 firstclass
A380のファーストクラスは、基本的に777-300ERの新仕様機と同じ構造ですが、個人用モニターが32インチであるなど、微妙に違いがあります。
Photo:Akira Fukazawa
A380 firstclass bed
フルフラットにしてベッドポジションにした状態。寝具は西川製で、これはファーストクラスすべてで共通です。夜行となる日本発は大きな威力を発揮します。
Photo:Konan Ase
A380 firstclass door
通路から見た、扉を閉めた状態です。扉は2枚で構成され、たとえばどちらか半分だけを開けておくというような使い方もできます。
Photo:Konan Ase

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3種類めはANA FIRST SQUARE

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