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香港でお披露目された、キャセイパシフィック航空の新ビジネスクラス「アリア・スイート」

キャセイパシフィック航空初のドア付きビジネスクラス、「Aria Suite(アリア・スイート)」を搭載した新仕様機が、香港国際空港のハンガー・イベントでお披露目された。

文:村田尚之 写真:村田尚之
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香港で発表されたキャセイパシフィック航空の新ビジネスクラス「アリア・スイート」。

 香港に本拠を置くキャセイパシフィック航空は現地時間の10月16日、ビジネスクラス用の新シート「Aria Suite(アリア・スイート)」を公開した。香港国際空港のハンガーで行なわれた発表会には、新仕様に改修されたボーイング777-300ERとステージを用意。同社CEOのロナルド・ラム氏、CCOのラビニア・ラウ氏といった関係者に加え、女優のファラ・チャンさんが登場。ステージ上に設置された新シートをアンベールした。

 新仕様となったボーイング777-300ERの座席数はビジネスクラスが45席、プレミアム・エコノミークラスが48席、エコノミークラスが268席の計361席。L1とR1ドアの間には落ち着いたギャラリー空間を設けるなど、全体的にシックな設えとなっている。

発表イベントは10月16日の18時45分(現地時刻)にスタート。キャセイパシフィック航空のCEOやCCOほか、ハリウッド女優も登場するなど華やかな雰囲気だった。
「アリア・スイート」は“HUMAN CENTRIC DESIGN”(人を中心とする設計)をキーワードに6年の開発期間をかけた。

 そして、ドア付きの個室タイプとなったアリア・スイートでは、数々の装備も進化を遂げた。座席モニターは4K対応の24インチで、オーディオはBluetooth接続によって自身のヘッドフォンを使用することも可能だ。

 もはや不可欠な装備となったシート電源はUSB Type-AとType-C、ユニバーサルAC電源に加えてワイヤレス充電器も用意する。さらにカスタマイズ可能なパーソナル照明が備わるほか、個人用モニターでは化粧室の使用状況を確認できるなど、ユニークな機能も備えている。

 特筆すべきは座席や客室の質感で、シートはウール織物、ヘッドレストはレザー、個室内のウォール部にはウルトラスエードが用いられており、見た目はもちろん、手触りも上質だ。

ドア付き個室タイプの「アリア・スイート」のシートは1-2-1のヘリンボーン配置。中央の2席はパーティションで仕切られるが、開放すればペアシートとしても使用できる。
各個室内に奇をてらった仕掛けなどはなく、すべての機能が直感的に操作できる。一方でリラックスできる空間とするために細心の注意が払われており、淡いクリーム調×チャコールグレー基調の空間に用いられる素材はじつに上質だ。個人用モニターは24インチの4K対応。Bluetoothにより自身のヘッドフォンとのペアリングも可能。個室内の照明はアレンジが可能となっており、シーンに合わせたライティングを実現。小物類の収納スペースも十分に用意される。
同社のビジネスクラスとしては初のドア付き個室タイプ。ウォール部は低すぎず、高すぎずの程よい高さ。

 プレミアムエコノミークラスは、2-4-2配置で、2024年4月に発表された新仕様。座席数は従来(77K仕様)の32席から48席へと拡大。ヘッドレスト部には通路や隣席との視線を遮るウィングを備えるなどパーソナル感を向上。座席モニターは4K対応の15.6インチで、Bluetoothも搭載する。

 エコノミークラスは3-4-3配置。左右両側列と中央列で配色を変えるなど、リファインを受けモダンな設えとなった。

プレミアムエコノミークラス。
エコノミークラス。

 このアリア・スイートを搭載する新仕様機は、すでに10月18日から香港=北京線で商業運航を開始している。今後、残る777-300ERも同仕様への改修が進む予定だ。

キャセイパシフィック航空初のドア付きビジネスクラス、「Aria Suite(アリア・スイート)」を搭載した新仕様機が、香港国際空港のハンガー・イベントでお披露目された。