特集/本誌より

アルプスの絶景をバックに。ヒコーキ撮影でインスブルック空港へ

 芳岡 淳氏が飛行機撮影のためにヨーロッパ遠征へ。インスブルック空港から届いた便りをお届けします。

文:芳岡 淳 写真:芳岡 淳
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 1週間ほど前から毎年恒例のヨーロッパ遠征へと訪れています。2015年にはじめてヨーロッパを訪れて以降、すっかりと魅力に取りつかれてしまい、世界中を見渡しても飛行機撮影を行なううえで最も好きなエリアです。そして各国でさまざまな特徴を持った空港が点在しており、天候や目的の機体に合わせてスムーズに移動できることもヨーロッパでの撮影の魅力です。

 ヨーロッパでの撮影はよいことが非常に多いのですが、最大の難点と言えるのが「天候」です。大西洋からの低気圧の影響を受けることで天気が不安定になりやすく、安定した晴天を求めたい飛行機撮影においては大きな問題となります。しかし、先述のとおり、さまざまな空港が存在することから、天気予報に合わせて動くことができます。毎年のヨーロッパ遠征においても、行きたいと思っている場所の天候が合わないことが必ず起こるため、いつもプランBを検討しながら動き回っています。

 今年はオランダやベルギーなどの北ヨーロッパ方面の天候が非常に不安定なため、ベルギーのリエージュやアムステルダムでも撮影が困難な状況が続いています。フランクフルトは比較的安定していたのですが、ずっとその場に留まるのもヨーロッパ撮影における醍醐味が半減してしまいます。

 そこで、撮影地として選んだのがオーストリアのインスブルック空港です。アルプス山脈に囲まれた美しい山々を背景に撮影することのできる世界的に有名な場所で、ウインタースポーツが盛んな冬季期間において便数が増加します。3月末はすでにベストシーズンは終了しているものの、依然として十分な便数が存在し、山に雪が残った絶好の条件が整っています。

 空港は非常にコンパクトですから、徒歩で撮影ポイントを巡ることが可能です。そして空港外周のフェンスの至るところに撮影用のフェンス穴が設置されており、スポッターに優しいヨーロッパならではの配慮が感じられます。1時間に数便存在する離着陸は、忙しすぎず、暇すぎずといった程よい間隔で、穏やかな空間とともに絶景を背景にしたショットを量産することができます。

 私自身、Web上ではインスブルック空港で撮影されたさまざまな作品を見たことがありますが、実際に訪問することは初めてのことで、想像以上の山の迫力と美しさに圧倒された1日でした。街中の治安も非常に良好で、観光で歩き回るにもおすすめの街であることから、ヨーロッパ遠征の際には是非立ち寄っていただきたい空港です。

 芳岡 淳氏が飛行機撮影のためにヨーロッパ遠征へ。インスブルック空港から届いた便りをお届けします。

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