ドナウ川が流れる古都、ブダペスト案内~旅のヒントBOOKより
こんにちは! 旅のヒントBOOK編集部です。
旅のヒントBOOKは主に現地在住者やその地のリピーターを著者に迎え、大切な友人を案内したいスポットを厳選してご紹介するガイドブックシリーズです。
現在、50を超える国と地域がラインナップしています。
さらに、このシリーズから派生した海外関連のさまざまな書籍を製作しています。
今回は、ハンガリー在住で旅のヒントBOOKシリーズに著作がある鈴木文恵さんが、ブダペストをご案内します。

ブダペストに来たら、まずはドナウ川沿いへ
ヨーロッパで2番目に長いドナウ川。源泉は南ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)にあり、その流れはオーストリア、スロヴァキアを経て、ハンガリーを北から南に縦断します。ハンガリー語では「ドゥナ」と呼ばれ、その流域に栄えてきた町の中でも屈指の美しさを誇るのがハンガリーの首都ブダペストです。
ブダペストに来たら、まずはドナウ川沿いに足を運んでみてください。街は中心を流れるドナウ川で、ブダとペストに分かれています。どちらの河岸からでも、どの角度からでも、足を止めて、一息ついて、ゆっくり眺めていたくなるような景観が望めるはず。ブダとペストをつなぐ橋は、街の中心だけでも4つあり、それぞれ違う景色を見せてくれます。観光船に乗るのもおすすめ。特に夜はブダの丘の上に立つ王宮、ペスト側の河岸に立つ国会議事堂をはじめ、橋もそれぞれライトアップされます。
歴史ある温泉が街なかに点在
ハンガリーには海の代わりに、7つの国との国境があります。内陸国でありながら水の豊富な土地で、ドナウ川、そしてティサ川が流れ、ハンガリーの海とも呼ばれる広大なバラトン湖周辺は、夏になると休暇を過ごす人でにぎわいます。そして、ハンガリーは国内に1,000か所以上の源泉がある温泉大国でもあります。
ブダペストには源泉が100か所以上あり、ドナウ川沿いをはじめ、街の中心部で歴史ある温泉施設が現在でも営業しています。市民公園にあるセーチェニ温泉は、1913年にオープンしました。屋外に大きな3つのプールがあり、それを囲むように建てられたネオルネッサンス様式の建物内にも、温度の違う浴槽がそれぞれ設けられていて、サウナやマッサージもある大型の温泉施設です。

セーチェニ温泉がある市民公園へ
セーチェニ温泉がある市民公園は、長期にわたる再開発プロジェクトが進行中で、近年大きな変化を遂げています。これまでに民族博物館、音楽をテーマにした複合施設「ハンガリー音楽の家」が新しく建てられ、それぞれユニークな建築が話題になりました。
公園内のアトラクションのひとつに、気球もあります。約150m上空まで上がり、天気のいい日は約20km先まで見渡せるそうです。2022年から営業を開始したこの気球、実は1896年に市民公園で開かれたハンガリー建国千年祭で人気を博したアトラクションを再現したもの。赤と白のストライプのデザインは19世紀末から20初頭にかけて活躍したハンガリーの画家、シニェイ・メルシェ・パールが描いた気球が元になっています。新感覚のモダンな建築物の隣で、ノスタルジックな雰囲気の気球がぽっかりと空に浮かんでは、ゆっくりと地上に戻る……。ちょっと微笑ましいような、ブダペストらしい光景が市民公園に広がっています。



鈴木文恵 / Fumie Suzuki
フォトグラファー&トラベルライター。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。美大では写真を専攻。20代後半に期限もルートも決めていない旅に出発、1999年ブダペストにたどりつく。ガイドブックや雑誌を中心に、写真撮影のほかコラムなどを執筆。
Webサイト:Fumie Suzuki Photography

旅のヒントBOOK『改訂版 ハンガリー・ブダペストへ――夢見る美しき古都』鈴木文恵 著
街歩きが楽しいブダペストの5つのエリアを取り上げ、おすすめスポットなどをピックアップ。老舗から、今、ブダペストで人気を集めているお店まで幅広く取りあげています。さらに温泉施設や廃墟バー、ハンガリー独特のアール・ヌーヴォー建築、ハンガリー刺繍、ハンガリー料理やスイーツの紹介も。ブダペスト滞在を満喫したい方に。
A5判/176ページ/定価1,980円(税込)
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