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JALのA350-1000JA01WJが重整備へ。ハンガーインで見た、特別塗装機としての最後の姿

JALのエアバスA350-1000初号機(JA01WJ)が、8月1日にC整備のため羽田空港のハンガーへと移動した。2024年1月の初就航以来、導入を記念した「Airbus A350-1000」ロゴを纏って運航されてきたが、今回のハンガーインを機に剥離される予定で、特別塗装機としての運用は終了する。JA01WJとJA02WJの2機に施されたこの記念塗装は、これで全機が通常塗装へと戻されることとなる。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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特別塗装機として最後のハンガーイン

 2025年8月1日、JALのエアバスA350-1000初号機(登録記号:JA01WJ)がC整備(C-CHECK)のため羽田空港のハンガーへ移動。これが特別デカールを纏った最後の姿となった。
 
 この記念塗装は、新たに導入されたA350-1000の周知に大きく貢献。機体後方に施された赤色の「A350-1000」ロゴは、次世代フラッグシップ機の力強さを表すとともに、新たな空の旅の始まりを示す象徴であった。JA01WJは7月31日のJL046便(パリ発羽田行き)をもって、赤いロゴを掲げた導入記念塗装での運航を終了。今回撮影したハンガーインは、C整備(重整備)の初日にあたる。

7月31日の最終フライトを終え、整備のためハンガーへ向かうJA01WJ。
ハンガーに収容するための準備が進む。
ハンガーは柱のない空間を生むジャッキダウン工法により、整備効率の向上が図られている。
格納作業に先立ち、トーイングカーによって一旦プッシュバック。その後、適切な進入角とするための位置の微調整が行なわれた。
ゆっくりと慎重にハンガーへ進入するJA01WJ。
目の前をゆっくりと通り過ぎていくJA01WJ。その両翼に搭載されたロールス・ロイス製Trent XWB-97エンジンが放つ存在感も、まさに圧巻だ。
「A350-1000」の文字が、鮮やかな赤色で機体に映える。
ロゴは、黒字の「AIRBUS」が控えめに配置されることで、「A350」の機材名が一際際立つデザイン。下部に向かって色が薄れるグラデーションも特徴的。

C整備は約2週間の精密点検

 「1~2年ごとに約10日間をかけて実施する」と規定されているC整備。今回のJA01WJでは8月1日から14日にかけて実施される。各舵面のルブリケーション(注油)、各エリアのインスペクション(検査)、油圧システムのフィルターエレメント交換、シートのオペレーションチェック、各システムのオペレーションチェック、エンジンのボアスコープ・インスペクション(内視鏡検査)などが行なわれる。
 
 なお、JA01WJと同じく導入記念塗装を纏っていたJA02WJは、2025年4月にC整備を受け、ロゴを剥離。現在は通常塗装で運航されている。JA01WJも同様に、整備完了後は通常塗装としてドックアウトする予定だ。これにより、2024年1月のニューヨーク線初便を皮切りに、ダラス、シンガポール、ロサンゼルス、パリなどの就航初便にも投入された導入記念塗装機は、完全に終了することとなる。
 
 今回のハンガーイン撮影は、単なる整備入りの記録ではなく、特別塗装の“見納め”を記録する貴重な瞬間であり、静かに過ぎゆく時代を映し出す、感慨深いシーンとなった。

翼幅約64.75mのJA01WJが、精密な誘導のもと、わずかなズレもなくハンガーに収容された。
機体格納の目安となる、各機種に対応した表記も確認できる。
JA01WJの記念ロゴはポートサイドにも施されているが、こちらも剥離される。
大型の整備用の足場が設置され、各部の点検および整備が効率的に実施される。
JALのエアバスA350-1000初号機(JA01WJ)が、8月1日にC整備のため羽田空港のハンガーへと移動した。2024年1月の初就航以来、導入を記念した「Airbus A350-1000」ロゴを纏って運航されてきたが、今回のハンガーインを機に剥離される予定で、特別塗装機としての運用は終了する。JA01WJとJA02WJの2機に施されたこの記念塗装は、これで全機が通常塗装へと戻されることとなる。

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