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神戸空港が国際化。関西発国際線の選択肢が広がり、変わる3空港のあり方
これまで国内線の伊丹、国際線の関空、そして両空港を補完する神戸とそれぞれの役割を果たしてきた関西3空港。4月18日、神戸空港に第2ターミナルが開設され、国際線チャーター便が就航したことにより、この縮図が変わろうとしている。

アジアの4社が、神戸と5つの都市を結ぶ
神戸空港で4月18日、第2ターミナルの供用が開始され、国際線チャーター便が就航した。就航初日の初便は台湾のスターラックス航空が運航する台北(桃園)発のJX834便で、神戸空港に9時47分に到着。神戸空港の国際線時代が幕を開けた。
国際線チャーター便の就航は、開催中の大阪・関西万博の航空需要を見越したスタートで、台湾、韓国、中国の3か国の航空会社4社(スターラックス航空、大韓航空、エバー航空、吉祥航空)が神戸と5つの都市(台北・台中・ソウル・上海・南京)を週40往復する。2030年ごろには1日20便を上限に、定期便の就航を目指すという。
この日供用を開始した第2ターミナル2階では、国際線チャーター便の就航記念式典が開かれ、空港を管理する神戸市の久元喜造市長をはじめ、斎藤元彦 兵庫県知事、関西エアポートの山谷佳之CEOなどが参列。テープカットやくす玉割りで新たな門出を祝った。
久元神戸市長は式典で、「神戸市は神戸空港の国際化により、国際都市としての新たな可能性を手にすることができた。県内の各地域に対し、観光ビジネス需要が大きく創出され、投資の増加、新たな産業の創出にもつながると期待している。関西3空港(関西・伊丹・神戸)を利活用することが関西全体の発展に繋がる」と挨拶した。

神戸空港へは、スターラックス航空の桃園発JX834便を皮切りに、大韓航空のソウル(仁川)発KE731便、午後にはエバー航空の桃園発BR124便、吉祥航空の上海発HO1629便が降り立ち、それぞれウォーターサルートで歓迎を受けた。就航初日は各社合わせて6往復のフライトで、初便はいずれの便もほぼ満席に近い搭乗率だった。



到着便からは続々と乗客が神戸空港に降り立ち、到着ゲートで神戸市の職員や関西エアポート神戸の社員らが「ようこそ神戸へ」と声をかけ、記念品を手渡した。また神戸空港からの折り返し便も各社満席に近い搭乗率で、神戸空港第2ターミナルは終日多くの乗客で賑わった。


18,700㎡の第2ターミナルが開設。神戸空港の新たな歴史が始まる
国際チャーター便が発着する第2ターミナルは、従来のターミナルの北東側に建設。付帯工事や駐機場の拡張などを含め、総工費約283億円を投じて整備された。地上2階建ての内際一体施設となっており、延べ床面積は当初の計画よりも拡張され18,700㎡に。2階は北向き(神戸市内方向)に展望デッキやキッズスペース、多目的スペースが設置されている。
出発・到着の旅客動線は建物の1階に集約されていて、搭乗口は国内線が1つ、国際線が3つの計4つ。搭乗橋などは持たず、全便ランプバスでの搭乗となる。また、ターミナル内に飲食店などは入っておらず、国際線出国後の免税店のみが設けられている。

神戸空港は、神戸市の中心部・三宮から南へ約8キロの場所、ポートアイランド沖合にある海上空港で、1982年に「神戸沖新空港計画試案」として発案された。1993年には予定事業から新規事業への格上げを経て、1997年に飛行場設置許可を受ける。1999年10月に着工し、その後2006年2月に神戸市が設置・管理・運営する国内3番目の市営空港として開港した。
2018年4月には施設の所有権を神戸市が持ち、運営権を民間が請け負うコンセッション方式により民営化。関西エアポートの100%子会社である、関西エアポート神戸によって運営が開始された。開港以来、国内線空港として定期便が就航していたが、2022年に8年ぶりに開かれた「関西3空港懇談会」で、国際定期便の就航に合意。2030年ごろを目処に、1日20便を上限に定期便の就航を目指す。


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