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JAL、函館空港にもeGPUを導入。ボーイング767-300ERへの電源供給も

これまでJALグループでは北海道や鹿児島の離島、松山空港などで導入してきたeGPU。函館空港での導入を受け、初めて中型機へも電源を供給する。

文:本誌編集部
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 JALと多摩川エアロシステムズ株式会社(TAS)は4月1日より、ITW GSE製のリチウムイオンバッテリー駆動式電源装置「eGPU」を函館空港に導入した。

 エンジンが停止している駐機中、旅客機は機体に搭載するAPU(補助電源装置)から電力や空調の供給を受けることが可能だが、APUはCO2排出量が多く、騒音も大きいため、到着後すぐから出発の直前まではディーゼルエンジン式の電源装置、GPUを接続するのが一般的だ。そのGPUをリチウムイオンバッテリー駆動とすることで電動化したのがeGPUで、CO2排出量をゼロにすることができる。

 JALグループではこれまで、2023年3月より日本エアコミューター(JAC)が7空港(種子島、屋久島、喜界島、奄美大島、徳之島、沖永良部、与論)に、2024年3月より北海道エアシステム(HAC)が3空港(札幌丘珠、利尻、奥尻)に、そしてJALも2024年5月より松山空港に、それぞれITW GSE製のeGPUを導入。ATRシリーズやボーイング737といった小型機に電源を供給してきた。今回導入される函館空港では、小型機に加え、初めて中型機であるボーイング767-300ERにも使用する。なお、eGPUをフル充電した状態では、767-300ERの到着〜出発までの約6便分の電力供給が可能だ。

 国内の空港へのeGPU配備は充電設備の設置が課題となっていたが、今回は「令和6年度 空港における脱炭素推進事業(空港における再エネ活用型GPU等導入支援)」事業の採択を受けて、充電設備の設置とともにeGPUの導入が実現。導入によりCO2排出量を年間約21トン削減できるほか、騒音は約30%軽減された65db以下となるなど、グランドハンドリングスタッフの労働環境の改善や、空港周辺の騒音・環境負荷軽減が期待される。

これまでJALグループでは北海道や鹿児島の離島、松山空港などで導入してきたeGPU。函館空港での導入を受け、初めて中型機へも電源を供給する。