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クロネコヤマトのA321P2Fが羽田線就航。採れたて生鮮品を翌朝には首都圏に

2024年4月11日に運航を開始したヤマトグループのエアバスA321-200P2F。当初から予定されていたとおり、ついに8月1日から羽田乗り入れを開始した。

文:本誌編集部 写真:阿施光南
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新千歳から到着したヤマトグループ A321P2Fの羽田乗り入れ初便。

 ヤマトホールディングス、JAL、スプリング・ジャパンは8月1日、ヤマトグループの貨物専用機(フレイター)、エアバスA321-200P2Fの羽田就航を記念したお披露目会を開催した。

 2024年4月11日から成田空港を拠点に成田=新千歳線/北九州線/那覇線、那覇=北九州線を計1日9便運航していたが、この8月から羽田=新千歳線、羽田=北九州線を追加し、1日13便体制となる。

 なお、当初は1日最大21便体制へと拡充する計画を示していたが、この21便化の時期についてヤマト運輸 貨物航空輸送オペレーション設計部長の鈴木達也氏は、「13便を運航して荷物を安定的に輸送できることを確認しながら進める。もちろん採算の問題もあるので、(機材の)稼働率を高めることは考えていきたい」と、当面は運航の安定を重視する意向で、具体的な時期には言及がなかった。

ヤマトグループ・A321P2Fの羽田線ダイヤ
IJ410便:新千歳(01時20分)発→羽田(03時00分)着
IJ411便:羽田(04時15分)発→新千歳(05時55分)着
IJ444便:北九州(01時40分)発→羽田(03時15分)着
IJ445便:羽田(04時55分)発→北九州(06時40分)着

新千歳から到着したA321P2F。夜間の羽田空港西貨物地区のスポットに入る。
スポットイン後、ハイリフトローダーなどの貨物を取り扱う車両や、乗員用のステップ車を横付け。
北九州からの乗り入れ2便目も到着。VDGSのないスポットへ夜間にスポットインするため、マーシャラーがライトで誘導。

 今回の就航にあたっては、ヤマト運輸株式会社 常務執行役員(東京統括) 阿部珠樹氏、日本航空株式会社 執行役員 木藤祐一郎氏、スプリング・ジャパン株式会社 取締役 上谷 宏氏の3氏があいさつ。

 夜間に発着する羽田便を開設することで、例えば、北海道や九州で採れた生鮮食材をその日の夜に羽田便で首都圏へ運ぶことで、収穫翌日の午前中やランチタイムの食材として利用する需要などに期待を寄せる。実際、8月中旬以降は、こうした荷物の輸送も多くなるという。

 また、国内線、国際線ともにネットワークが充実している羽田空港をハブとした、地方間、あるいは国内線と国際線をつなぐ貨物の需要についても言及。ヤマト便でも直接は結ばれていない北海道と九州の間を速達するニーズは実際にあるとのことだ。

左から日本航空株式会社 執行役員 木藤祐一郎氏、ヤマト運輸株式会社 常務執行役員(東京統括) 阿部珠樹氏、スプリング・ジャパン株式会社 取締役 上谷 宏氏。

 羽田空港ではJALグループも使用している西貨物地区を拠点にする。空港施設株式会社が保有する施設内に、ヤマト運輸が上屋を開設。エアバスA321で使用するAAYコンテナ(メインデッキ用)、AKHコンテナ(ロワーデッキ用)などが利用できる荷さばき場を設けている。

 この日の到着便は、西貨物地区前の40番スポットと41番スポットに並んで駐機。機材はJA82YA、JA83YAが使用された。

 地上では到着後、ロワーデッキから取り出されたAKHコンテナはもちろん、羽田空港で見かけるのは珍しいAAYコンテナなどが、JALグループのグランドハンドリングスタッフによって上屋へと運ばれていった。

A320ファミリー用のAAYコンテナ、AKHコンテナが並ぶヤマトグループの貨物上屋内。
JALグループのグランドハンドリングスタッフによって運搬されていく。
40番スポット、41番スポットにならぶA321P2F。
2024年4月11日に運航を開始したヤマトグループのエアバスA321-200P2F。当初から予定されていたとおり、ついに8月1日から羽田乗り入れを開始した。

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