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IBEX、CRJ700を共通事業機のE190-E2へリプレース。2029年度からANAと運航受委託事業を開始

ANAとアイベックスエアラインズ(IBEX)は7月29日、「運航業務の管理の受委託」に関する包括的業務提携に合意したと発表した。2029年度から事業を開始する。IBEXは現在運用中のボンバルディアCRJ700から、ANAグループとの共通事業機となるE190-E2へのリプレースを進め、ANA便の運航を受託する。

文:多和田新也(編集部)
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アイベックスエアラインズが運航するCRJ700。(Photo:AIRLINE Web)

 ANAとアイベックスエアラインズ(IBEX)は、7月29日に「運航業務の管理の受委託」に関する包括的業務提携について合意したことを発表した。国土交通省の「国内航空のあり方に関する有識者会議」報告書において、国内航空ネットワークを維持するために「運航業務の管理の受委託」制度を有効活用することへの期待が示された。これを受け、IBEXからの提案に基づき両社は従来のコードシェアを発展させ、2029年度の事業開始を目途にANA便の受委託事業を開始する。

 本事業では、ANAが販売会社として“路線便数計画および販売(全席販売)”を担い、運送責任を負う。一方、IBEXは運航会社として“IBEXの乗務員によりANA便を運航”し、運航責任を負う。また、IBEXからANAへ「整備業務の管理の受委託」に基づく整備委託も実施する計画だ。

 IBEX便にはこれまでもANA便が付与されるコードシェアを展開しているが、コードシェア便はANA便名とIBEX便名が混在する共同運航であり、座席を両社で配分してそれぞれ自社席として販売していた。運送責任もそれぞれの販売分に応じて各社が負い、運航自体もIBEXの独立した基準と体制で、IBEX塗装の機体を用いて運航されている。

 これに対して受委託便では、全座席をANAが販売し、便名はANA便名となる。機材はANAからのリース機であるANA塗装機を使用し、運送責任も全席ANAが負う。運航はANAの事業計画および委託管理のもと、IBEXがANA基準のサービスを基本として運航することになる。旅客視点では予約から空港手続きまで現行のANA便と同等の体験となる。

 IBEXがANAサービス基準の運航を行なうとなると、IBEXの客室乗務員はIBEXのサービス、ANAのサービスの両方を、便によって変える必要が出てくる。この対応についてはIBEXでは、サービスによってクルーを分けることはなく、一体的に運営しながら両方のサービスを実施することを想定しているという。

「運航業務の管理の受委託」に関する包括的業務提携について合意したことを発表した、全日本空輸株式会社 代表取締役社長の平澤寿一氏(左)とアイベックスエアラインズ株式会社の代表取締役社長 前澤 豊氏(右)。(Photo:ANA/IBEX)

 他方でIBEXは同日、2026年度から2029年度を対象とする中期経営戦略「Vision2030」の策定を発表しており、フリート刷新を起点とした事業構造改革に着手することを表明している。オペレーション力を競争力の源泉とする新たなリージョナルエアラインモデルへの構築を目指し、安全運航を基盤としてオペレーティングキャリアとしての機能強化に経営資源を集中させる。

 また、ブランドの枠を超えて運航を担うため、運航業務の管理の受委託や将来的なウェットリース事業など、オペレーションを中核とするBtoB事業へと進化・拡大し、新たな収益基盤を構築する方針だ。

 ANAホールディングス(ANAHD)からは同日、エンブラエル「E190-E2」8機(確定発注)の追加発注を決定したことを発表している。今回発注された8機は、すべてANA便の受委託事業に投入され、2029年度第1四半期から導入が開始される。これをANAグループがすでに発注(確定15機、オプション5機)し、同グループ内で運用を予定している機材とともに、IBEXとの共通事業機として運用する。

 IBEXが現在運用しているボンバルディアCRJ700は、最も古い機体で20年近くが経過しており、機齢問題および経年劣化への対応としてリプレースが必要となっていた。しかし、CRJ700はすでに生産中止となっており、同等クラスの次世代機も存在しないために100席クラスへのサイズアップを検討していた。

 今回の提携により、IBEXは2029年から2032年頃にかけて順次CRJ700の退役を進め、8機のCRJ700をE190-E2による受託運航へと切り替えていくことになる。自社で販売リスクや投資リスクを負わないBtoB事業に移行することで、多額の投資リスクを回避し財務基盤を整える狙いがある。

 なお、移行期には並行して運航されることになるCRJ700運航便は、引き続きIBEXによる自主運航便となり、ANAとのコードシェア便として残る。現行の法令上、自社便を完全にゼロにして受託運航のみとすることはできないため、8機が完全にリプレースされるころには、この対応も必要になるはずだが、それは「Vision2030」の次の中期経営戦略で示されることになるだろう。

 運航受委託の対象路線については、事業開始の約1年前となる2028年度頃の航空需要や機材キャパシティを踏まえ、両社協議のうえで決定される。ANAグループにとって、資本関係を持たない外部の航空会社に対して運航業務の管理の受委託を実施することは初の取り組みとなる。両社は経営資源を有効活用しつつ、路線維持と運航効率向上の両立を図り、持続可能な地域航空ネットワークの構築を目指していく。

E190-E2。(Image:Embraer)

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