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成田空港の南北貨物地区を自動運転で結ぶ。大型貨物の無人搬送に向けた実証実験

成田空港の場周道路において、北部貨物地区と南部貨物地区を結ぶ自動運転トーイングトラクターを用いた航空貨物搬送の実証実験を報道陣に公開した。

文:多和田新也(編集部) 写真:多和田新也(編集部)
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 成田国際空港(NAA)は、成田空港の北部貨物地区と南部貨物地区の間で自動運転トーイングトラクターを用いた貨物搬送の実証実験を行なっている。6月10日に、その模様が報道陣に公開された。

 NAAは2025~2027年度の中期経営計画「Gear Up NRT」において、デジタル技術の活用による空港運営の高度化・効率化を掲げており、空港運用現場の省人・省力化に向けた技術導入を進めている。

 貨物を取り扱うエリアが北側と南側に大きく分かれている成田空港では、航空機の間で大型コンテナ(ULD)のやり取りが頻繁に発生しており、現状はすべて有人で搬送されている。

 また、この南北貨物地区間を移動するルートは、第1ターミナルから見てA滑走路の奥にある場周道路で、その間の距離は約7km。曲線も多い道路形状のため、人が運転する従来のトーイングトラクターによる搬送では片道40分から50分を要しているという。しかも、貨物の移動が発生する時間帯は集中するため、より多くの人材が必要となる。この南北貨物地区間の貨物搬送が自動化されることで、人材不足への対応やコスト削減が期待されている。

場周道路を走行中の自動運転車両。実証実験はレベル3相当なので本来は運転手1名での運用も可能だが、安全のため、実証実験では2名が乗車して実施しているという。
貨物専用機(フレイター)のメインデッキに搭載する大型のULDを搬送するのが本実証実験の一つの特徴となる。
使用されているTractEasy製の自動運転車両。車両としてはレベル4自動運転にも対応している。

 現状の走行検証において、特に問題は発生していないという。ルート内にはA滑走路の北側をアンダーパスするトンネルがある。トンネル内は衛星測位ができないために自動運転での走行が難しいとされるが、目印となるリフレクターを設置するなどの対策により、十分クリアしているとする。

 また、A滑走路南寄りにある県警用ヘリパッド付近を通過する際、ヘリコプターの発着時にはダウンウォッシュの影響を避けるために一時停止するルールとなっている。自動運転車両の運用における影響については調査中としているが、現状では発着時も安全に車両が通過できるという感触を得ているといい、安全基準をクリアできるようであれば、ヘリコプター発着時も(一般車両も含めて)一時停止が不要になる可能性も含めて検討を進めるという。

 なお、今後の実用化に向けては、車両や障害物、作業者を検知して自動で停止するセンサーの調整、より条件が複雑な貨物地区前面のエプロンでの実証など、さらなる実験の積み重ねが必要とされている。

 NAAは2026年度中にレベル4による無人搬送の本格運用を実現させる計画であり、将来的には新ターミナル構想や新たな貨物地区の整備も見据えながら、東アジアの貨物ハブとしての役割を果たし続けるための社会インフラ整備と技術導入を進めていく方針だ。

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