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簡単ではない、でも価値ある1枚 ~ 芳岡 淳が撮ったこの一枚

文:芳岡 淳 写真:芳岡 淳
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月刊エアラインをはじめ数々の媒体で活躍する航空写真家が撮った一枚の写真。それぞれに、さまざまな背景があります。本連載ではそうした写真に関する一言コメントとともに、フォトグラファー渾身の一枚を紹介していきます。

 先日、シンガポールへと訪れる機会を頂きました。

 現在、ルフトハンザのフランクフルト=シンガポール線の機材は、747-400。そしてフランクフルト行の出発時間は23時40分。羽田からのSQ633便で23時頃に到着した私はそのまま制限区域に残ってルフトハンザの出発を狙いました。

 偶然にもこの日のルフトハンザの出発ゲートは、撮影にはベストであった50番スポット。機内Wi-Fiでターミナル内の窓配置などを調査し、万全の状態で臨んだつもりが、ここ数年の工事で狙いとしていた窓が塞がれてしまっていました。

 思い通りにいかないのが飛行機撮影。すぐさま気持ちを切り替えて他のスポットを探し、ようやく見つけたわずかな窓のスペースから撮影したのがこちらのカットです。

 イメージしていたカットとは異なりますが、他の空港ではなかなか撮ることのできない角度かと思いますので、これはこれで価値ある1枚になったと感じています。

2024年8月 シンガポール

芳岡 淳

芳岡 淳

1994年生まれ。神奈川県横浜市出身。 小学生の頃、北海道への家族旅行で747-400Dに搭乗したことで旅客機撮影が趣味に。2015年からは積極的に海外へ遠征し、世界中で747-400を中心に旅客機や貨物機を追いかける撮影スタイルを展開。

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