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ユナイテッド航空で成田からモンゴルへ! 5月1日就航の新路線が語るUAネットワークの深さ
5月1日、ユナイテッド航空の成田=ウランバートル線(週3便/10月までの季節運航便)が新規就航。第1ターミナル南ウイングの32番スポットでは実に盛大な記念式典で、この“意外”な新路線のスタートを祝った。攻めの路線展開の背景にある戦略とは?

モンゴルに初めて乗り入れる米系エアラインとして
日本の国際線史を振り返れば、パンアメリカン航空からの太平洋路線移管(1986年)、コンチネンタル航空との合併(2010年)を経て、ここ成田空港においてその存在感を高めてきたユナイテッド航空。米本土と成田を結ぶ豊富な路線のほか、かつてのコンチネンタル・ミクロネシア航空から引き継いだグアム路線も、日本人旅行者にとって身近な存在であり続けてきた。
現在、成田(9路線)・羽田(6路線)・関西(2路線)・中部(1路線)の4空港に就航し、日本に乗り入れる米系航空会社のなかでも提供座席数で最多。間違いなく、最も馴染み深い海外エアラインの一つだと言える。しかしまさか、成田とモンゴルを結ぶ路線を、ユナイテッド航空が運航する日がくるとは誰が予想できただろう。
これについて、5月1日の新規就航記念式典で挨拶に立った同社のグローバルネットワーク計画・アライアンス上級副社長、パトリック・クエール氏は、「これがビンゴゲームだとしたら、成田=ウランバートル線は間違いなく“当たるカード”ではないでしょう」と、ジョークを交えてこの意外な新路線について語り始めた。
「しかしこのウランバートル線は、ユナイテッド航空の路線網が持つ深さと、太平洋路線の広大さを如実に示すデスティネーションだと言えます。私たちにとって特別なことは、グローバルなコミュニティを繋ぐ、結ぶということ。素晴らしい歴史と自然に恵まれたモンゴルという国に、米系航空会社として初就航できること、そのサービスを成田空港の高い乗り継ぎ利便性とともに提供できることを、心からうれしく思います。パートナーであるANA、成田国際空港、各国政府の皆さんに感謝します」
ユナイテッド航空は米本土やグアム以外にも、成田やフランクフルトなど、緊密な関係で結ばれたパートナーエアラインのハブ空港にネットワークの基点を置いている。昨年10月に就航した成田=セブ線(フィリピン)、この日就航したウランバートル線も、ユナイテッド航空あるいはANAのフライトで北米から到着し、成田経由で両地へと向かう需要が路線展開の土台になっている。



さらに今年、台湾の高雄線、パラオのコロール線も開設!
こうした攻めの路線開設の背景には、日本人の海外旅行需要が減退した昨今においても、成田ハブを活用して日本路線の収益を最大化しようとするユナイテッド航空の戦略がある。
たとえばグアム路線については、インバウンド需要で絶好調の米本土からのフライトと違い、日本発着のレジャー需要に応えるための路線だ。東京だけを見れば、従来の成田線に加えて2024年5月に羽田=グアム線が新設されたことで増強されている印象だが、関西線・中部線についてはこの夏スケジュールで減便が行なわれている。そこで生じた機材や乗員のリソースを、あらたに需要が見込める新路線へと投じるプランなのだ。
市場環境の変化を読みながら、大胆な路線展開で旺盛な成田乗り継ぎの需要を取り込むユナイテッド航空。この流れはさらに加速し、7月には高雄線(台湾)、さらにコロール線(パラオ)と、成田発着ネットワークは11路線へと拡大していく。
日本人旅行者にとっても馴染み深いユナイテッド航空による新しい旅の選択肢が、回復へと向かう日本の海外旅行需要の底上げに寄与するかもしれない。ユナイテッド航空で飛ぶモンゴル、面白そうじゃないか!
ユナイテッド航空
成田=ウランバートル線(週3便)
UA007/成田 16:30→ウランバートル 20:55(火・木・日運航)
UA006/ウランバートル 9:55→成田 15:45(月・水・金運航)





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