特集/本誌より

名古屋発ヨーロッパへの直行便、フィンエアーAY080便でヘルシンキへ!

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ビジネスクラス利用の復路出発前には、フィンエアーラウンジを利用することができた。ここでも北欧家具が並び、くつろいだ雰囲気を楽しむことができる。

Helsinki→Tokyo,Narita/AY073 Business Class

帰国便は独創性が光るビジネスクラス、「AirLounge」を堪能する南回りで成田へ

 ヘルシンキ発の復路は、空席の都合から中部行きではなく成田行きのAY073便に搭乗。この帰国便では、ビジネスクラスでフィンエアーの日本路線を堪能することにした。

 リクライニングをせずにフラットシートになるという、とても特徴的なフィンエアーのビジネスクラス「AirLounge」は、そのデザインからして同社の独自性を強く感じさせるものだ。この日の運航機材では全43席が用意されており、1-2-1の配列。すでに保有するA350の全機が新仕様への改修を完了しており、どの機体に乗っても新コンセプトのシートを楽しむことができるのが嬉しい。

リクライニングせずにフラットベッドを実現しているのが特徴の「AirLounge」。コリンズ社との共同で開発した、フィンエアー独自のシートを採用している。
機内で迎えたくれたのは、マリメッコ・デザインの浴衣を着た客室乗務員。毎年、桜の時期の日本路線で行なわれる恒例イベントで、取材日の4月13日が今年最後の実施となった。
AY073便の運航乗務員の皆さん。機長3名と副操縦士1名の構成で、長距離フライトの日本路線を飛ぶ。
現地時刻の17時55分、ヘルシンキ・ヴァンター空港RWY22Rから離陸。澄んだ青空の下、Trent XWB-84エンジンが美しい音色を響かせる。

3種のコースから選択する、フィンエアー自慢のビジネスクラスミール

 取材時の飛行ルートは南回りであったが、その日の気象状況によっても左右され、たとえばこの前日の日本行きの各便のルートを見てみると、北極圏経由の北回りが多かったようだ。

 離陸後、1時間半ほどでお楽しみの最初の機内食が提供される。3つのコースから選択が可能で、筆者は客室乗務員の方からおすすめして頂いたビーフのメニューを選択。往路のプレミアムエコノミーでも十分充実した機内食を味わったが、さすがビジネスクラスでは、さらに上質かつ北欧らしさに満ちた味わいを提供していて、ボリュームも大変満足感がある。別皿でサーブされる締めくくりのスイーツも、旅の疲れを心地よく癒してくれた。

離陸後、すぐに1回目の機内食が提供される。豊富なワインセレクションとともに食事を楽しめるのも同社の自慢。
ビジネスクラスのギャレーワークは最前方L1/R1ドア付近と、L2/R2ドア付近の2か所で行なわれていた。
客室乗務員の方におすすめを伺ったところ、どれも最高におすすめできるとのことだったが、「ビーフでもいかが?」の一声で、こちらをチョイス。「牛肉とポルチーニ茸のリゾット、カボチャとブロッコリー、コーンとブラックガーリックソース」。
食後には、別皿でデザートも提供される。甘党の筆者としてはブルーベリーケーキを迷わず選んだ。

フットレストを水平方向に展開するだけでフラットシートを実現

 機内食の余韻にひたりながら、フィンエアー自慢のシートを満喫することにしよう。リクライニングという概念がないことに最初は戸惑いを覚えた「AirLounge」だが、横になるときはフットレストを水平方向へと展開するだけでベッド形態になり、従来のビジネスクラスシートと比較すると、リクライニング機構による継ぎ目の違和感がないことが、細かいながらも嬉しいポイントに感じた。

 18インチのタッチスクリーン式ディスプレイを搭載するエンターテインメント設備もしっかり楽しみたいところで、日本語吹替や字幕に対応するコンテンツが充実しているのもフィンエアー日本路線の強みだろう。サイドテーブルにはワイヤレス充電器も備え付けられており、対応のスマートフォンを持っていれば、置くだけで充電することができる。シート本体だけではなく、至るところで利便性が感じられる設計の同社ビジネスクラスであるから、搭載されている機能は是非使いこなしたいところだ。

 もちろん、機内Wi-Fiにも接続することが可能だ。Finnair Plusメンバーであれば割引も受けられるので搭乗時には事前に登録しておくと良いだろう。メンバー価格はフルフライトプランで19.95ユーロ(通常は24.95ユーロ)であった。

 到着2時間前になると2回目の機内食が提供され、フィンエアーの空の旅ともまもなくお別れのとき。13時間9分のフライトを経て、成田空港RWY16Lへと着陸した。

ベッドメイキングの際は、リモコンを使って電動フットレストを引き上げるだけ。マットレスも用意されており、背中の段差を気にすることなく、快眠することができた。
2回目の機内食は、往路便と同じく朝食スタイル。しっかりと3皿に分けられたボリュームたっぷりの朝食だ。
日本路線には日本語を話す客室乗務員がいることも同社の安心感。この日、ビジネスクラスエリアを担当されていた日本人客室乗務員の方は、ヘルシンキ・ベースで入社7年目。日本路線への乗務は月1回程度とのことだった。
到着後には、クルーの皆さんがビジネスクラスのキャビンに勢揃い。とてもフレンドリーかつ上質なサービスで、快適な長距離フライトを提供してくれた。
世界への玄関である中部国際空港(セントレア)において、欧州とのネットワークを担うのがフィンエアーだ。 週4往復で乗り入れ、機材はもちろん最新キャビンを備えるエアバスA350-900。 セントレアでは夜にしか見られない、その美しい機体に乗り込み北欧を目指した! ※本記事は月刊エアライン2025年6月号特集「エアポート24時」から転載したものです(一部、AIRLINE Web用に変更)。