特集/本誌より

空港グラハン協会、非航空系学部の学生向け職場見学会を開催

現場見学と社員との交流会で、グランドハンドリングの認知度向上&魅力を伝える。

文:村田尚之 写真:村田尚之
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学生たちは2グループに分かれて空港でのランプハンドリング業務を見学。ランプエリアでは多様な仕事と設備、巨大な旅客機に興味津々という様子。
社員による説明の合間に、手を振って出発機のお見送りを体験。表情がキリリと引き締まったようだ。

 空港グランドハンドリング協会は5月9日、羽田空港で学生を対象に、空港の職場見学会を初めて開催した。

 グランドハンドリングの業務は、乗客の搭乗などをサポートする“旅客ハンドリング”、手荷物や貨物の搭降載を行なう“ランプハンドリング”、貨物を積むための調整を行なう“貨物ハンドリング”など多岐にわたる。いずれも空港業務と航空機の運航には不可欠だが、長年にわたり人出不足が囁かれている。

 2023年8月に設立された空港グランドハンドリング協会は空港業務の持続的発展を目的として、業界の共通課題解決や魅力ある業界づくり、事業基盤強化に取り組んでいる。そのなかでも、教育機関との連携、将来の人材確保は重要課題だ。

 今回の見学会は、協会の活動を知った埼玉学園大学と川口短期大学からの働きかけにより実現。参加したのは両校の非航空系学部の学生15人。2グループに分かれ、グランドハンドリングを担う現役社員の案内のもと、ターミナルビル内やランプエリアでの作業を見学した。

ランプエリアで1時間ほど職場見学。ANAエアポートサービス社員による説明を熱心にメモする学生、質問をする学生も多かった。
15名の学生は第1・第2ターミナルの2グループに分かれて職場を見学。第2ターミナルの旅客ハンドリング見学では、国際線と国内線の出発フロアを訪れてカウンターなどの施設や仕事内容についての説明を受けた。

 職場見学の後は会議室に場所を移し、当日の参加企業であるANAエアポートサービス、JALグランドサービス、JALスカイ、スカイマーク、羽田タートルサービスの5社の現役社員と学生による交流会を開催した。

 交流会は、1グループあたり学生3~4人に対して社員2人という環境で、現場の社員に直接質問できる貴重な機会。“JALとANAでお互いを意識するか?”や“勤務形態や休日の取りやすさ”など、各グループとも踏み込んだ話題で盛り上がった。

4グループに分かれて社員との交流会を実施。一般学生では不利にならないかなど真面目な質問もあれば、笑い声があがる質問もあり、穏やかな雰囲気だった。

 見学中、熱心にメモをとっていた埼玉学園大学経済経営学部の池間佳希さんは、実際に職場を見て、改めて航空業界への憧れが明確になったそう。「こうした仕事では社内資格がたくさんあることを知りました。勉強しなければいけませんね」と語る。

 見学会、交流会とも真剣な眼差しで社員の話に耳を傾けていた川口短期大学ビジネス実務学科の長岡紗花さんは、「見学会に参加して、新たな発見もありましたし、スタッフの皆さんの優しさも印象残っています。私も改めて空港で働きたい、という思いが強くなりました」と感想を語った。見学会、交流会は、学生がキャリアを考える1つのきっかけになっただろう。

 見学会の発案者である川口短期大学の冨吉光則准教授は、「現場を見学することで“やってみたい”のか“向いていない”仕事なのか判断ができるのでミスマッチもなくなる。また、航空業界というと語学や特殊な資格などをハードルとしてとらえる学生も多いが、現役社員の話を聞くことで超えられないハードルではないと感じたと思う」と語る。学生の意欲も感じられ、満足のゆく結果が得られたそうだ。今後も業界と連携を図り、キャリア支援にも力を入れたいという。

 2年前まで成田空港でランプハンドリングを担当していた、空港グランドハンドリング協会の川原鉄平さんは、非航空系学部の学生に向けて、協会の認知度向上を図りつつ、仕事の魅力を伝えていきたいと語る。また、「興味を持っていただける学校とは積極的に連携を図りたい」と、協会と教育機関との連携に期待感を示した。

埼玉県川口市にキャンパスを置く埼玉学園大学と川口短期大学。航空関連の職場見学会は初だったが、今後も同様の取り組みを続けるという。
現場見学と社員との交流会で、グランドハンドリングの認知度向上&魅力を伝える。

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