JALボーイング777-300ER、「JA735J」の退役
先週はANAのボーイング777-300、JA754Aがラストフライトを迎えたことを書きました。
多くの反響をいただき、改めて「777」が特別な旅客機であることを実感しましたが、
JALからも国際線を支えてきた777-300ERが、また1機、空から姿を消しています。
2006年に導入されたJA735Jです。
9月9日、サンフランシスコ発羽田行きのJL1便がラストフライトでした。
残るJALの777-300ERは10機
JALの長距離国際線を支えてきたボーイング777-300ER。そのうちの1機、JA735Jが2025年9月9日、サンフランシスコ発羽田行きJL1便をもってラストフライトを迎えました。約20年にわたり世界の空を結んだフラッグシップの引退は、多くのファンの心に深い余韻を残しました。
改めて777-300ERの特徴を見ていくと、まず全長約74mの巨体を空へと浮かび上がらせる世界最大のターボファンエンジン「GE90-115B」。デビューしたとき、その圧倒的なサイズと衝撃のハイバワーに驚かされました。離陸時に響く重低音と、巡航に入った瞬間の静けさのコントラストは777-300ERならではの魅力です。主翼端がわずかに後方へ折れ曲がっているレイクドウィングチップも、ノーマルな−300型との違いを際立たせています。
また、ニューヨークやロンドン、パリなどへ飛ぶ国際線のフラッグシップであることから、キャビンに足を踏み入れれば、そこにはJALの長距離フライトを象徴する上質な空間が広がっています。
後継機であるエアバスA350-1000が登場するまでは国際線で唯一のファーストクラス設定機材で、「JAL SUITE」はシートのゆとりや贅沢さはもちろん、こだわり抜かれたサービスを熟練のCAの皆さんが引き立ててくれる、まさに極上の時間を過ごせる空間です。ビジネスクラスの「JAL SKY SUITE」も全席通路アクセスで、長距離フライトでも快適そのもの。さらにプレミアムエコノミーの「JAL SKY PREMIUM」、エコノミークラスの「JAL SKY WIDER」もゆとりがあり、どのクラスも“少しでも心地よく”というJALらしい細やかさに満ちています。この辺りはAIRLINE webでも何度も取り上げていますので、ぜひ関連記事もご覧ください。
JALのフラッグシップとして約20年にわたり世界を結び、数え切れない旅人を運んだJA735J。その存在は単なる航空機ではなく、空の時間を豊かにしてくれる“旅の舞台”でした。退役を迎えた今も、搭乗した人々の記憶の中で、そのキャビンの静けさと優雅な時間はきっと生き続けることでしょう。
JA735Jの退役により、残るJALの777-300ERは10機となりました。やはり、今のうちに乗っておきたい旅客機のナンバーワンです。
JALボーイング777-300ERの特集記事掲載!
『航空旅行 vol.51 2025 SUMMER』
欧州路線が続々と拡充されたANA。2023年末から2024年にかけて開設されたストックホルム、イスタンブール、ミラノの新3路線を軸に、ANAが描く新たな空の地図を紹介します。これからANAの利用を検討している方には実用的で役にたつビジネス・プレエコ・エコノミークラスの搭乗取材や各都市の魅力を多角的にレポート。また、ANA以外の欧州航路を運航するエアラインについてもそれぞれの特徴を紹介します。
このほかに、エアバスA350-1000の導入により退役フェーズに入ったJALのボーイング777-300ERの歴史やキャビンの振り返り記事や、ボーイング767による貴重な長距離路線であるデルタ航空のハワイ線のレポートも掲載しています。
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