エコノミーでも快適に!ヨーロッパ路線のエアライン選び方ガイド
13時間を超える日本〜ヨーロッパ間のフライトでは、エコノミークラスであればなおさら快適性が旅の満足度を大きく左右します。
そこで今回は、各社のエコノミークラスの座席仕様から注目の機内設備、さらに乗り継ぎ便やお得な航空券情報まで、「楽に飛ぶ」ためのポイントを解説しましょう。

Photo:Takayuki Murata
長距離フライトの快適性は「居住性」がカギ
現在発売中の『航空旅行 2025 SUMMER(vol.51)』では、ANAの欧州新路線を特集していますが、日本からヨーロッパに向かう場合、直行便でも13時間以上の長旅になります。ビジネスクラスならともかく、エコノミークラスであれば「どのように過ごすか?」は非常に重要なポイントです。
とはいえ、エコノミークラスでは一人当たりのスペースに限りがあります。よって快適に過ごすということに重点を置くのであれば、座席配列やシートピッチ、シート幅に余裕があるエアラインを選ぶ、というのが第一条件です。
ヨーロッパ路線の機材は、ボーイング777-300ER、787シリーズ、エアバスA350などが主流です。たとえば777-300ERの場合、一般的には3-4-3の横10席でレイアウトされますが、JALやターキッシュ エアラインズは横9席(3-3-3)を採用し、さらにJALはシート幅も約47cmと広めです。JALは787も広く、他社が3-3-3の横9席であるのに対し、1席少ない2-4-2とし、シート幅も777よりも1cm広い約48cmとなっています。シートピッチが広いのはJALとANAで、ともに最大約86cmを確保しており、他社の標準的な約81cmよりも快適です。
長時間のフライトでは、機内エンターテインメントや充電設備の充実度も快適さを左右します。JALのA350-1000や大韓航空の787-10では高精細な4Kモニターが導入され、ANAの777-300ERなどでは13インチ超の大画面も増えています。充電環境も、ACコンセントやUSB(タイプA・C)を各座席に完備する機材も登場。機内Wi-Fiが無料で使えるエアラインも増加中です。

Photo:Takayuki Murata

Photo:ANA
気になる運賃と乗り継ぎ便の選び方
いま、日本には多くの外国人が訪れていることもあり、航空便の搭乗率は高めです。こうした需要の高まりを背景に、欧州行きの運賃も上昇傾向にあります。羽田・成田発の直行便は20万円台前半が相場です。経由便であれば10万円台後半〜12万円台で購入できることもありますが、直行便よりも所要時間は長くなります。価格競争力があるのは中国系のエアラインや大韓航空で、大韓航空を利用したソウル(仁川)経由便なら、バルセロナやブダペストなど日本から直行便のない都市へも効率的にアクセスできます。
また、中東系エアラインの欧州路線網も魅力的です。エミレーツ航空はドバイを拠点に40都市以上に展開し、羽田・成田・関空から1回の乗り継ぎで多くの都市にアクセスできます。フランスのニースやリヨン、イタリアのボローニャなど日本からの直行便がない都市へも快適に移動できます。
旅行の目的や日数、予算、利便性を総合的に考慮し、自分にとって最適な便を選ぶことが、ヨーロッパへの賢い旅の第一歩になりますが、『航空旅行 2025 SUMMER(vol.51)』では、「あなたに最適な欧州航路を探そう」と題し、さまざまな視点から「エアライン選びのコツ」をまとめています。ぜひ、こちらもご覧ください。

発売中!『航空旅行 2025 SUMMER(vol.51)』
特集「ANAが描く新たな欧州航路」

欧州路線が続々と拡充されたANA。2024年末から2025年にかけて開設されたストックホルム、イスタンブール、ミラノの新3路線を軸に、ANAが描く新たな空の地図を紹介します。これからANAの利用を検討している方には実用的で役にたつビジネス・プレエコ・エコノミークラスの搭乗取材や各都市の魅力を多角的にレポート。また、ANA以外の欧州航路を運航するエアラインについてもそれぞれの特徴を紹介します。
このほかに、エアバスA350-1000の導入により退役フェーズに入ったJALのボーイング777-300ERの歴史やキャビンの振り返り記事や、ボーイング767による貴重な長距離路線であるデルタ航空のハワイ線のレポートも掲載します。
関連記事