特集/本誌より
航空科学博物館で「ANAお仕事体験教室」開催。成田地区ANAグループ14社が結束する「ANARITA」が活躍
航空科学博物館で毎年恒例の「ANAお仕事体験教室」が開催された。ANAグループで本イベントを主導しているのは、成田地区ANAグループ14社で構成されるチーム「ANARITA(アナリータ)」だ。
航空科学博物館で10月25日、「ANAお仕事体験教室」が開かれた。この催しは主に子供を対象とした体験型イベントで、ANAグループの仕事を知ってもらうことで、航空業界や航空機への関心を高める目的で実施されている。
搭乗口で地上旅客スタッフが行なっているアナウンスの体験や、蛍光ベストを着用して、スクリーンに映し出される動画に合わせてパドルを掲げるマーシャリング体験を実施。グランドハンドリングに関連したものでは、スリッパやヘッドフォンなどの機用品を詰める“機用品パッキング作業”体験コーナーも用意。整備品や実際の航空機部品の展示も行なわれた。
さらに、フォトブース用のパネルを背景にパイロットや客室乗務員の制服を着用し、フォトプロップスや装飾品を手にして写真を撮影できる「記念写真撮影ブース・制服着用体験」や、Peach Aviationのブースでも子供用の制服着用体験のコーナーが設けられた。
また、ゲーム要素のあるコーナーとして、ANAケータリングサービス(ANAC)による「機内食同じ場所に置こうゲーム」や、持っていける荷物の判定を行なうゲームなどの業務にちなんだものや、塗り絵や紙ヒコーキなど飛行機に親しみを持ってもらうコーナーを用意。
屋外ではフードローダー車やトーイングトラクター車両を展示。フードローダー車に乗ってのリフトアップ体験も行なわれた。
会場全体が、各ブースでスタンプを集めると景品がプレゼントされるスタンプラリーになっており、いろいろなブースをまわりながら、ANAグループ、ひいては飛行機の運航にまつわる、さまざまな仕事内容に触れられる仕組みになっている。
成田地区ANAグループを横断する「ANARITA」
さて、ANAグループ内で、このANAお仕事体験教室の企画・運営を主導したのが「ANARITA(アナリータ)」というチームだ。当日は、このメンバーに加えて、グループ各社の社員がボランティアとして集まり運営を支えた。
「ANARITA」とは、ANAと成田(NARITA)を合わせた名称で、成田地区に所在するANAグループ14社によって構成されている。成田地区ANAグループ各社間の親睦や結束を深めることによるサービス品質の向上や、成田空港周辺地域への社会貢献を行なうことを主な目的として活動を推進している。
45名程度のメンバーが大きく4チームに分けられ、多岐にわたる活動を展開している。例えば、主に次代を担う子供たちを対象とした航空の仕事内容を伝える体験教室の企画・運営や周辺市町の学校への航空教室などの活動のほか、成田祇園祭での山車引きなど地元のお祭りやイベントへの参加・支援といった地域貢献も担う。
さらには、就航・周年記念行事でのお見送りや空の日イベントの支援といった顧客満足度向上に関わる活動や、他職場見学会の開催など、グループ内社員同士の相互理解や結束を深める活動なども実施している。
メンバーの選出は会社によって立候補を受け付ける会社もあれば、会社からの任命という場合もある。地上旅客業務やグランドハンドリング業務を担うANA成田エアポートサービスでは立候補制とのことだが、希望する社員は多く、手を挙げても選出されないことも珍しくないそうだ。
メンバーの任期は厳密には定められていないが、おおよそ1年から3年程度。2年以上にわたる活動をするメンバーも多く、例年実施・参加しているイベントなどでは前年の実施内容や運営上のノウハウなどを継承することができているそうだ。活動時間は月に1回、1日あたり3時間が勤務控除として割り当てられている。とはいえ、それぞれの催しの準備や調整などは仕事の合間を縫って行なう必要があり、やはり本業との両立には苦労もあるようだ。そこは、チームでチャットなどを活用して助け合っているという。
ANAお仕事体験教室の会場で、ANARITAの活動に従事する鹿内さん(ANA成田エアポートサービス)、吉岡さん(ANA成田エアポートサービス)、水上さん(全日空商事デューティーフリー)、川端さん(ANA Cargo)の4名に話を聞いた。鹿内さんと吉岡さんは今年初めてANARITAに参加し、水上さんと川端さんは2年目となる。
前任者の活動を見て手を挙げたという鹿内さんは、「業務以外でお客さまとの関わりを持つことがあまりないので、この役割をいただいたときには、業務と同じぐらいのやる気を持ってやらせていただきたいと、気持ちが高まりました」という。
7月に行なわれたロサンゼルス就航40周年の記念イベントでは、記念写真を撮影する旅客や、窓の下で横断幕を掲げるスタッフの姿を目にして、「通常の業務中では見ることができないお客さまの笑顔や表情に接することができ、自身の中でよい思い出として印象強く残っています」と振り返った。さらに、「ほかの業務を実際に見ることができ、自社および他社への理解が深まり、横のつながりが広がりました」とANARITAの活動の意義を語った。
直属の先輩であった前任者の姿に憧れてANARITAに立候補したという吉岡さんは、「前年度の取り組みなどを自分で調べたりしながら、試行錯誤しながらも熱意を持ってやらせていただいています」と話す。
9月に行なわれた空の日イベントでは、「実際にANARITAとして一般のお客さまと、他のANAグループの会社の方と関われるいい機会で、とても印象的でした」と振り返った。また、普段の業務環境を踏まえ、「基本的にはグランドハンドリングの部門としか関わることがないので、一般のお客さまやグループ内の他の会社の方と関われる機会を持てていることが、なによりのいいことだと思ってます」と手応えを口にした。
会社から指名を受けて参加することになった水上さんは、「先輩たちが飛行機のお見送りなどをしているのを見ていて、自分もそういったところに関われたらいいな、と思っていましたので、ANARITAって楽しそうだな、というのが率直な感想でした」と述べた。活動のなかで印象に残っている出来事として、前年度のエアージャパン就航記念イベントを挙げ、「そのときにエアージャパンに乗るお客さまから感謝の言葉を直接いただいたことがとても印象的でした」と振り返る。今年度は“仲間チーム”というグループのつながりを強化するチームで活動しており、「自分の会社のことを他の会社の方に伝えたり、見学したりといったことを行なっていますが、グループの会社の人たちが知らなかったことを知れてよかったです、と直接声をいただいたことがすごく記憶に残ってます」と語った。
活動の意義については、「免税店で勤務していますが、グループの会社の人と関わる機会が極端に少ない会社でもあり、同じグループに属していてもちょっと疎外感を感じていた部分も少しあったのが個人的な課題でした。ただ、ANARITAの活動を通してグループの会社の人とコミュニケーションをとることによって、こういう業務をしてるんだと知ってもらえたり、実際に同じANARITAのグループ会社の子から『免税店行ったよ』といった声を聞いたりなど、この活動をできてよかったなって思うことが多々あります」と実感を込めた。
イベントの運営に携わることが好きだという川端さん。「個人的にいろいろなイベントごとに参加することが好きで、運営に携わるのも好きでした。そうした活動に会社の代表として選ばれたのはとても光栄に思いました」と振り返る。印象に残っている活動については、「昨年、自社のANA Cargoの職場見学をしたことが印象に残っていて、同じグループの会社ではあるんですけど、会社ごとに別の仕事をしてますし、電話でのやりとりはあっても、対面で会うことはあまりないので、いろいろな仲間ができたり、一体感が作れたことがとてもうれしく思いました」と話す。
続けて、「業務中には、ほかの会社の方と関わることがなく、ANARITAに参加して横の広がり・つながりができたことがよかったと思っています。また、成田の地域のイベントなどにANAとして参加できることも、地域に貢献できていることを実感でき、個人的にはとてもうれしい機会です」と結んだ。
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