ニュース
成田空港のビジネスジェット専用ターミナル「Premier Gate」がリニューアル。国内線対応や大型ラウンジ新設で機能拡充
成田国際空港(NAA)は、ビジネスジェット専用ターミナル「Premier Gate」を8月1日にリニューアルオープンする。その全容を紹介する。
成田国際空港(NAA)は、ビジネスジェット専用ターミナル「Premier Gate」を8月1日にリニューアルオープンする。これに先立ち、リニューアルした同ターミナルが報道公開された。
成田空港の第2ターミナルビル横、南オペレーションセンター1階に位置するビジネスジェット専用ターミナル「Premier Gate」は、2012年3月31日に供用を開始した。各国のVIPなどのビジネスジェットユーザーを対象としており、CIQ(税関・出入国審査・検疫)対応エリア、ラウンジ、地上8台および地下4台の駐車場といった付帯施設を備えている。施設利用契約を締結している航空運送事業者または運航支援会社(ハンドリング会社)から、使用予定日の前日15時までにメールで申し込むことで利用が可能となる施設だ。
リニューアルに伴い、8月1日からの施設使用料は、出発または到着1回の利用につき国際線が税別400,000円(~7月30日は300,000円)、国内線が税別200,000円となる。国際線利用で旅客数が21名以上の場合には、21名から1名につき20,000円の従量課金が発生。貸し切り会議室は税別100,000円で提供される。
施設使用料には、ターミナル施設やCIQエリアの使用、保安検査、SRA検査、ランプ送迎(大型バス、マイクロバス)、ラウンジでの飲食提供、ポーターサービス、ロックアイスの提供が含まれている。
改修を実施した経緯として、利用便数および利用旅客数の増加に伴うラウンジ利用の混雑、施設の経年劣化による老朽化、そして国内線受け入れに関する要望があったことが挙げられる。改修にあたっては「ラグジュアリー&ホテルライク」をコンセプトに掲げ、移動の通過点にとどまらない滞在価値の提供と、体験価値および利便性の向上を目指した。
ラウンジについては、従来は7名程度しか着席できず、便が重なった際には利用客が立って待つ、といった状況が発生していたという。そのため、運航便の集中時や多人数利用に対応する大型ラウンジが1室新設され、あわせて会議室も併設された。これにより、快適な滞在空間とビジネス利用における利便性が提供される。
既存のラウンジやエントランスホールについても改修が行なわれ、壁面への着色や什器の刷新、和紙の配置により和の趣を取り入れた演出が施された。
また、ヘラルボニーとの協業によるアートが導入された。作家の鈴木広大氏による「新たな仲間探し」「旅行」「サクラ」などの作品が飾られている。デザインには雲取りの模様や、成田空港のロゴマークと連動する3本の線、ビジネスジェットを模したモチーフなどが取り入れられている。
ビジネスジェットは、柔軟な運航や移動時間の短縮、高いプライバシー性を備えた手段であり、近年はインバウンド需要の拡大や高付加価値市場の拡大を背景として、多地点訪問や短期間での移動など定期航空便では対応しにくいニーズに対する利用が広がっている。2025年度までの累計実績は利用回数7,081回、利用旅客数35,510人となっている。推移を見ると、供用を開始した2012年度の利用回数は252回(利用旅客数1,161人)であったが、2025年度には過去最高となる1,391回(利用旅客数7,165人)に達した。
2025年度に利用回数および利用旅客数が過去最高となった背景には、訪日客の需要とともに万博効果が大きく影響した。日本全体でビジネスジェットの運航回数が増加する中、関西国際空港などではスポットが混みすぎないように運用するため、駐機日数を減らすといった対応が行なわれた。そうした動きを受けて成田空港へビジネスジェットが多く飛来し、成田から関西圏へ陸路で移動する利用客も多くいたという。
今回のリニューアルにより、これまで対応していなかった国内線ビジネスジェットの受け入れが開始される。国内線利用者のために、保安検査場やCIQエリアを通らずに出入口から一直線でエプロンへ向かうことができる専用の動線が整備された。パーティションで区切られたこの動線により、高いプライバシーを確保しながら円滑な入退場や際内・内際の乗継が可能となる。また、手荷物に関しては、2026年4月に開始された「ポーターサービス」の利用も可能だ。
国際線の出発動線においては、受付通過後にCIQエリアで手続きを行なう。受入能力の増強として、出国審査のカウンターは2か所へ増設された。国際線の出発手続きは順調に進めば10分程度で完了し、施設から専用バスに乗車して整備地区にある駐機スポットまでの移動時間は約8分。到着から20分もあれば搭乗することができる。到着動線においても、専用バスでターミナルへ移動し、入国審査や税関検査を経て10分程度で外へ出ることが可能だ。
成田空港のビジネスジェット専用ターミナルは、旅客だけでなくクルー(乗務員)も利用できる点が特徴であり、他空港に対する優位性となっている。旅客とクルーを同一施設で案内できるため、手続きを円滑に進めることができる。ただし、クルーの待機スペースなどの施設は整備されておらず、この点は課題として考えていると担当者は述べている。
成田空港はビジネスジェットの運航に必要な発着枠の確保に対応できる環境を有している。専用駐機スポットとして国内空港のなかでは比較的多い18スポットを備えており、駐機期間も原則7日間、最大30日間と長く設定されている。滞在を伴う柔軟な運航計画に対応できるのである。さらに、時間貸しや屋外放置を回避できる駐機用ハンガー(格納庫)が整っている点や、機内持ち込み用のロックアイス(氷)提供、先述のポーターサービスといったサービス面での利便性も成田空港のアドバンテージとなっている。
関連リンク