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JAL、エアバスA350-1000の導入記念塗装機がラストフライト。 1年半の航跡に区切り

2024年1月の就航以来、国際線の第一線で存在感を放ってきたJALのA350-1000初号機、JA01WJ。その胴体に刻まれた赤い記念デカールに包まれ、羽田と世界各地を結んできた“次世代フラッグシップ”は、2025年7月末、通常塗装へと戻される前のラストフライトを迎えた。

文:本誌編集部 写真:JAL(7月30日)・本誌編集部(7月31日)
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パリから最後のフライトを終え、スポットへ向けてタキシングするJA01WJ。

JALの新時代を告げた特別塗装、羽田から最後の離陸へ

 2025年7月30日、JALのエアバスA350-1000の初号機(登録記号JA01WJ)が、同機種の導入を記念した「Airbus A350-1000」記念塗装を纏った状態でのラストフライトへと旅立った。

 日本発の最終便となった往路のJL045便は、乗客222名・乗員18名(パイロット4名・客室乗務員14名)を乗せて、羽田空港第3ターミナルの111番スポットを10時37分にブロックアウト。11時05分にC滑走路から離陸し、フランス・パリのシャルル・ド・ゴール国際空港へ向けた14時間半のフライトをスタートさせた。

 出発に際しては、A350-1000の導入に携わったJAL社員がランプに集まり、最後の“赤ロゴ機”を見送った。就航当時に客室仕様を担当した西垣淳太氏(現CX推進部 企画推進グループ)は、次のようにコメントした。

「初就航から1年半、A350-1000はニューヨーク、ロンドン、パリなどの長距離国際線でフライトを重ねてきました。その中でデカール機は、A350-1000という新機材をお客さまに知っていただくうえで、非常に大きな役割を果たしました。今後はデカールがなくなり、機体の外観は少し変わることになりますが、機内は変わらず高い付加価値と品質を提供してまいります。これからも、世界中のお客さまのご利用を心よりお待ちしております」

JALグループの社員たちが横断幕を掲げ、日本発最終便を見送った。
運航を支えるスタッフたちも、感謝の気持ちを込めてラストフライトを見送る。
羽田発の最後のフライトに向けてタキシングを開始するJA01WJ。
JA01WJはRWY34Rから力強くエアボーン。

記念塗装に幕、「Airbus A350-1000」ロゴが有終の美

 正真正銘の最終便となったのは、パリ・シャルル・ド・ゴール発、羽田行きのJL046便だ。現地時間30日21時18分にRWY26Rから離陸し、約12時間37分の飛行を経て翌31日16時54分、羽田空港RWY34Lに着陸。予定より約25分早く到着し、第3ターミナルの106番スポットに到着した。

 この特別塗装は2024年1月の就航以来、新型機のアピールに貢献してきたが、デカールの耐久性や整備スケジュールの都合から、貼付は7月末で終了した。2023年12月にフランスのトゥールーズで引き渡されたJA01WJには、羽田到着後にデカールを貼付。また、同様のロゴは2号機であるJA02WJにも、2024年4月17日~2025年4月16日の約1年間にわたり施されていた。

 JA01WJはラストフライト翌日の8月1日よりC整備(Cチェック)に入り、機体の外装、構造部、舵面、配管、電装品、システム類などの点検と並行して、通常塗装へと変更される予定だ。これまで羽田=ニューヨーク線を皮切りに、ダラス・フォートワース、シンガポール、ロサンゼルス、パリなど数々のA350-1000就航初便に投入されてきたこの特別塗装は、新型機導入のアイコンとして、確かな役割を果たし、その使命を見事に遂行した。

羽田空港に姿を現した、パリからの最終運航便。
羽田空港RWY34Lに降り立ったJA01WJ。
第3ターミナルの106番スポットへ、最後のタキシングをする。
最終フライトを終えたあと、ロゴと同じ赤いトーイングカーに牽かれ、整備のためハンガー前へと向かった。
2024年1月の就航以来、国際線の第一線で存在感を放ってきたJALのA350-1000初号機、JA01WJ。その胴体に刻まれた赤い記念デカールに包まれ、羽田と世界各地を結んできた“次世代フラッグシップ”は、2025年7月末、通常塗装へと戻される前のラストフライトを迎えた。

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