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コーヒー片手にまったりヒコーキ・トーク。原 健一氏×深澤 明氏の「JET DINER HND」へ!
土曜の午後、そこは羽田空港の対岸にあるホテル。美味しいグルメとヒコーキ撮影を楽しみ、コーヒー片手に2人の航空写真家のトークに聞き入る。そんな素晴らしい休日のひとときをレポートしよう。

撮影セミナーとはまた違う、ヒコーキやヒコーキ写真を“語る”イベント
どんよりとした空模様だった土曜日の午後。その外の光景とは対照的に、ウェアハウス(倉庫)をイメージしたホテルのロビーは、航空写真家の原 健一氏と深澤 明氏の軽快なトーク、そして参加者たちの笑い声に包まれていた。
5月24日、羽田空港の対岸に位置する「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」にて、「Cafe de ひこう記 presents “JET DINER HND”」が開催された。「Cafe de ひこう記」とは、出雲をベースに活動する原氏が主催するトークイベント。一般的な撮影セミナーのような撮影指南ではなく、コーヒーを片手にまったりと、ヒコーキやヒコーキ写真の魅力を聞くというイベントだ。2023年に出雲で深澤氏を招いて初開催。今回、羽田空港近くで再び同氏を迎えて実施されることになった。

さらに今回は「JET DINER HND(ジェット・ダイナー・ハネダ)」、つまりトークだけでなく、ジェット=ヒコーキ、ダイナー=グルメも楽しもうという企画。そこで、羽田空港から多摩川を挟んですぐ向かい、RWY22のほぼ延長線上に位置する「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」の協力の下、同ホテルのレストランやカフェが会場となった。

羽田空港を望む絶好のロケーションで、美味しいビュッフェを楽しむ
今回、参加者に混ざってイベントを楽しませていただいた筆者。13時の集合後、まずは「JET DINER」部分となる第1部がスタートした。向かった先はホテル最上階にある「Captain’s Grill and Bar」。窓の外、多摩川の向こうに羽田空港のB滑走路や第3ターミナルの大パノラマが広がる中、シェフが目の前で調理する和洋折衷のビュッフェと、他の参加者の皆さんとの談笑を楽しむ。
料理はどれも美味しく、周りの方の「これ美味しいですよ」「こっちも絶品です」という声に釣られて、皆さん次から次へとおかわりへテイクオフ。もちろん筆者も例外ではなく、気がつけばビュッフェのほぼ全種類をいただいてしまった。


そして1時間ほど食事を楽しんだのち、向かったのは空港側の屋外にあるテラス席。さらにこの日は特別に、ホテルの屋上も開放されたのだ。残念ながらこの日は南風だったため、目の前のB滑走路は使用されていなかったが、それでも第3ターミナルを行き交う機体や、管制塔の背後から飛び出すRWY34Rの離陸機、さらにヒコーキ以外でも多摩川沿いを走るモノレールなど、多様な被写体を狙うことができた。



そして“メインイベント”、カフェで白熱の2時間トーク
グルメとヒコーキを堪能したところで、いよいよメインイベントとなる、原氏と深澤氏のトークセッションへ。ホテル1Fのロビーにあるカフェ兼コワーキングスペース「THE WAREHOUSE」は、その名の通り倉庫をイメージしたおしゃれな空間。ここでドリンクを片手に、お二人のトークに聞き入る。
この日は原氏が「訊く人」、そして深澤氏が「語る人」として、深澤氏の広告写真スタジオ時代から、月刊エアラインや航空旅行はもちろん、姉妹誌「エアステージ」にとっても欠かせない存在となる現在に至るまで、ヒコーキや取材にまつわるさまざまなエピソードを紹介。懐かしい写真とともに、2013年・当時の編集長が同席していたある飲み会がきっかけとなったという月刊エアラインやイカロス出版との馴れ初め、取材時にトラブルが発生した際に(良い意味で)ぶっ飛んだ行動に出たことで撮影できた名カット、そして氏の躍進の大きな一助となったある時のニュージーランド航空の取材など。編集部の中の人である筆者も知らなかった面白エピソードの数々に、会場は参加者の皆さんの笑い声で溢れた。

そして原氏は、自らイカロス出版に勤務していた経験があり、今、そして過去の編集部員やライター・カメラマン陣にも幅広い人脈がある。そんな原氏が訊き手とあって、話もどんどん盛り上がっていった。さらに同氏からは、自身が出雲空港の保安検査場にある大型ビジョンを活用して計画する写真展について紹介。JALグループとFDAのみが就航する同空港だが、その枠組みにとらわれず、鳥取、米子、岩国、隠岐を含めた山陰の空港すべてを盛り上げるべく、全90作品ほどを集めて開催したいと考えているそうだ。
トークショー終盤、深澤氏に「Tシャツがさっきから気になるんだけど」と促されて原氏が上着を脱ぐと、そこに現れたのは「深澤 明の名言Tシャツ」。実は深澤氏もこっそり同じTシャツに着替えていて、ペアルックの2人が並ぶと、会場は「プチ撮影会」の様相となった。
終始盛り上がり、2時間のトークがあっという間に感じられた濃い時間。筆者も思わず取材そっちのけで、気がついたらカメラを置いて聞き入ってしまう場面が多かった。



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