ニュース
ANA、2025年度は737 MAXと787を計4機受領で計画策定。第3四半期は過去最高の売上高
旅客・貨物ともに需要が堅調で過去最高の売上高を記録。2025年度はボーイングからの新造機受領の遅れを見込んだ計画を策定している。
ANAホールディングスは2月3日、2024年度(2025年3月期)第3四半期の決算を発表した。
上期から継続して好調な旅客需要、貨物需要を背景に、売上高は1兆7,027億円(前年同期比1,592億円増)、営業利益は1,711億円(同389億円減)、経常利益は1,815億円(同255億円減)、純利益は1,340億円(同149億円減)となり、運航規模拡大に伴う費用の増加や人材への投資を進めたための費用増はあったものの、四半期としては過去最高の売上高を記録した。
国際線では訪日需要に加え、日本発の需要を取り込んだほか、北米路線も上期から引き続いて順調に推移。円安の差益や、徹底したイールドコントロールによる高単価の維持に努めた。一方の国内線では、予約状況に応じた早売りのセールと、直近の高単価運賃というメリハリを利かせた運賃設定で好調を維持。特に座席利用率は第3四半期単体では過去最高を達成したという。
なお、12月から順次就航している、羽田=ミラノ線、羽田=ストックホルム線、羽田=イスタンブール線についても説明があり、いずれも搭乗率あるいは予約率が70%を超える水準で、スタートは順調との認識を示した。羽田=ミラノ線については、貨物需要も高く、アパレル関連だけでなく、イタリア北部の工業地帯から出荷される自動車部品なども輸送しているという。
ANAホールディングスでは、こうした好調な状況を受け、2025年3月期通期の業績見通しを上方修正。通期の売上高を2兆2,550億円、営業利益は1,800億円、経常利益は1,900億円、純利益を1,400億円と見込んでいる。
2025年度は737 MAX×1機、787×3機をベースに計画を策定
ANAグループは1月21日に2025年度の航空輸送事業計画を策定しているが、本会見ではその内容についても説明があった。
便数は国際線で前年比108%、国内線で同101%を予定しているが、これは機材の受領を保守的に見込んだうえで、欧州新規路線の通年化などで生産量を増加させたものだという。
機材については、PW1100G-JMエンジンの点検および改修に伴うエアバスA320neo/A321neoの非稼働機は2024年度末で11機(計画では13機)となる見通しで、順調に対応が進んでいる。一方、ボーイング787の部品交換期間短縮に伴うTrent 1000エンジンの取りおろしが増加し、部品の供給不足も発生していることから、稼働機材のひっ迫が続く見込みとした。
また、2025年度の新造機受領について、当初は2025年度に11機を受領予定だったが、一部の機材は2026年度になるとの見通しを示している。上記の便数計画は2025年度内にボーイング737-8(MAX)を1機、ボーイング787を3機、ボーイング777-9(X)を0機として策定されており、より早期の引き渡しについてボーイングとの協議を継続するとしている。
このほか、Peachは国際線の拡大を検討。AirJapanの3号機も2025年度内に受領を予定しているとした。
関連リンク