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日本就航65周年を迎えたキャセイパシフィック航空。エレクトラ L-188から始まったその歴史

キャセイパシフィック航空が7月4日に日本就航65周年を迎え、羽田空港で記念セレモニーが開催された。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部(特記以外)
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キャセイパシフィック航空が日本就航65周年を迎えた2024年7月4日。チェックインカウンター前にこれを祝うフォトスポットを設置した。中央左の客室乗務員は、日本就航時の制服を着用している。

 キャセイパシフィック航空は7月4日、羽田空港第3ターミナルで日本就航65周年セレモニーを開催した。

 同日、羽田空港のキャセイパシフィック航空チェックインカウンター前には、さまざまな年代の写真をあしらったパネルをフォトスポットとして用意したほか、搭乗ゲート前に関係者が集まって記念セレモニーを開催。

 あいさつに立った同社のネルソン・チン 北東アジア地区総支配人は「日本は香港の人に限らず人気の高い土地。 治安もよく、見どころも多い。COVID-19が終息して“ぜひ行きましょう”と、勢いがすごい。また、円安傾向も強い状況のなか、この機に日本に来たいという人が増えている」と日本路線の需要の高さを説明。

 同氏個人としても、「2002年にも日本に関わる時期があったが、当時は便数が少なかったので、ピーク時には需要に対して席数が足りなかった。特に日本人のお客さまが多かったが、沖縄や広島、新潟、仙台などへはチャーター便を活用した。2013年には香港からの訪日旅客に対するビザが緩和され、今度は訪日旅客需要に応えるためのチャーターを運航するようになった」と、日本市場に携わって、その成長と変化を実感した経験を話した。

 キャセイパシフィック航空では就航65周年を記念して、9月30日までの間、「キャセイ」会員を対象に、モデルプレーン(1/200スケール)やキャセイグッズなどが当たるキャンペーンを実施している。詳細はキャンペーンWebサイト(https://flights.cathaypacific.com/ja_JP/65th_anniversary_campaign.html)を参照のこと。

セレモニーには、キャセイパシフィック航空 北東アジア地区総支配人 ネルソン・チン氏を始めとする同社関係者のほか、国土交通省、東京国際空港ターミナル、香港政府観光局の代表者が列席した。
スタッフとの記念撮影を楽しむ、キャセイパシフィック航空 北東アジア地区総支配人 ネルソン・チン氏。
同日、羽田から出発するCX549便の搭乗客には、フライトタグやボディローションなどの記念品を配付した。
同便65番目の搭乗客にサプライズで65,000マイルをプレゼント。搭乗列から突然呼ばれ、喜びと戸惑いが入り交じった表情。

伊丹初の海外エアラインなど、日本路線に残す足跡

 現在は東京(羽田、成田)、大阪(関西)、名古屋(中部)、福岡、札幌(新千歳)の5都市6空港にネットワークを張り、1日16往復以上を運航するキャセイパシフィック航空。1959年7月4日、ロッキード エレクトラ(L-188)で台北経由の香港=東京(羽田)線を開設したのが、その日本路線の始まりだ。

 翌1960年4月2日には、大阪(伊丹)=香港線を開設。これは、伊丹空港にとって初めての海外エアラインの乗り入れであった。1965年9月には大韓航空と同時期に福岡空港へ、そして1966年3月の名古屋空港(県営名古屋空港)と、国内空港における海外エアライン乗り入れに大きな足跡を残している。

 同社の機材も65年で大きく変わった。当初のエレクトラから、キャセイパシフィック航空にとって初のジェット機であるコンベア880(CV880)、ボーイング707、ロッキード L-1011(トライスター)、ボーイング747、777、A340、A330、A350と、主力機を惜しみなく日本路線に投入。現在は777、A350を中心に活躍している。

1959年の日本就航時に使用されたロッキード エレクトラ(L-188)。同社が2機のみ導入した機体を日本路線に投入していた。(Photo:Watanabe Toshihiko)
客室乗務員の当時の制服には、帽子に「CPA」のロゴ。同社初期の社旗だ。

 月刊エアライン9月号では、キャセイパシフィック航空65周年をはじめとする最新情報、シンガポール航空、ベトナム航空、ハワイアン航空、エティハド航空、ビーマン・バングラデシュ航空のフライトレポートと現地取材など、海外エアラインに関する総力特集「現地レポート特集 外国エアラインの最前線へ!」をお届けしています。

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キャセイパシフィック航空が7月4日に日本就航65周年を迎え、羽田空港で記念セレモニーが開催された。

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