連載

日本最西端の“渡り難き島”へ 与那国空港

【連載】ニッポンの空港

文:阿施光南
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日本の最西端というだけで憧れる与那国空港。
日本の最西端というだけで憧れる与那国空港。かつては米軍統治下に設定された台湾の防空識別圏が島の上空を分断していたが、現在は半径約25kmの範囲が日本の防空識別圏に設定しなおされている。

すぐ隣は台湾、国境は目の前

 与那国島は、日本最西端の島だ。沖縄本島からでも約500kmも離れており、台湾(約110km)の方がずっと近い。東京から台湾までのフライトでは「近いな」と思うのだが、与那国島まで行くと「はるばる来たな」としみじみする。それも旅の醍醐味だ。
 与那国空港は第二次世界大戦中に日本海軍が作った飛行場を、1958年に空港としてオープンしたものだ。当初の滑走路は1,232mあったが、沖縄返還後の日本の航空法では800mとしか認められず、1981年に施設改修の後に1,500mに。その後舗装を強化して暫定ジェット化され、2007年には2,000mに延長された。かつては那覇などからJTAの737も就航していたが、現在の定期便はRACのQ400CCによる石垣線と那覇線のみ。空港外周には草原が広がっているので撮影ポイントは豊富だが、便数は少ない。背後にそびえるティンダバナ(標高85mの展望台)に登ると、東シナ海を背景に空港全景を見おろせる。宿でスクーターなどを借りると便利だ。

与那国空港 DATA

与那国空港 DATAOGN/ROYN

標高:15.0m
面積:58ha
運用時間:8:00-19:30
滑走路:RWY08/26 (2000×45m)
着陸回数:2018年度1千4百回(国内千4百回・国際0回)、2019年度 1千4百回(国内千4百回・国際0回)、2020年度 1千百回(国内千百回・国際0回)
乗降客数:2018年度 10万2千人(国内10万2千人・国際0人)、2019年度 10万1千人(国内10万千人・国際0人)、2020年度 6万2千人(国内6万2千人・国際0人)
貨物取扱量:2018年度 440t(国内440t・国際0t)、2019年度 445t(国内445t・国際0t)、2020年度 342t(国内342t・国際0t)
就航会社:RAC
所在地:沖縄県八重山郡与那国町
供用開始日:1975年3月15日 (建設は1943年、海軍飛行場として)
種別:地方管理空港
設置管理者:沖縄県

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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