連載
伊丹のRWY14運用 ~ 竹信大悟が撮ったこの一枚
月刊エアラインをはじめ数々の媒体で活躍する航空写真家が撮った一枚の写真。それぞれに、さまざまな背景があります。本連載ではそうした写真に関する一言コメントとともに、フォトグラファー渾身の一枚を紹介していきます。
伊丹空港で撮影をしている方ならご存じ「RWY14運用」。俗に言う逆ランというヤツです。
伊丹空港は年間を通じて風向きが安定していてRWY32運用がほとんどですが、年間約15日程度RWY14運用になることがあります。14運用になるといつもと違うアングルで撮影できるとあって、伊丹の飛行機写真界隈がザワつきます(笑)。飛行機写真の聖地とも言われる?千里川土手をほぼ無力化するほどの威力です。
…っが、この14運用なかなかのくせ者。今日は14だ! なんて気が付いて空港にダッシュしても着いた頃には32運用に戻っていたり、運良く14運用時に空港に居合わせても、ふだん32運用で飼い慣らされたお陰で、立ち位置を決めるのにいつも右往左往。なので僕は少し苦手。
このRWY14運用は天気予報の風向きから予測ができますが、もっと精度を求めるならMETAR(定時飛行場実況気象通報式)がおすすめ。
RJOO 230400Z 09011KT 6000 -RA BR FEW007 SCT025 BKN045 17/16 Q1006 RMK 1ST007 3CU025 6SC045 A2971
これはある日の伊丹空港のMETAR。注目するのは「09011KT」の部分。090という部分が風向、11KTが風の強さを表しています。経験上、伊丹では090以上の風向きが表示され概ね8~9ノットくらいから風が強まる傾向だと14運用になることが多いようです。ちなみにこの日は09011KT(東風11ノット)で14運用でした。今日は14になるかも? なんて予測して待ち構えると心の準備ができていいかもしれませんね。ちなみに過去5年間、12月の14運用は一度もありません。
僕? いつも策に溺れてトホホな結果です。
竹信大悟
1975年生まれ。兵庫県出身。大阪は伊丹空港をベースに、航空会社のオフィシャル撮影や日本各地の空港で航空業界を切り取るフォトグラファーであり、年間300日以上サウナに入るプロサウナー。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。
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