連載

JAL・FDAが就航する、おいしい空港 山形空港

【連載】ニッポンの空港

文:芳岡淳
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現在就航している機材はJALおよびFDAのエンブラエル機に限られる。
現在就航している機材はJALおよびFDAのエンブラエル機に限られる。JALの羽田線が1日3往復、E190による運航で山形空港における最大の輸送力だ。

震災時には東北の交通を支えた

 山形市中心部の北側に立地する山形空港は、山形新幹線や東北自動車道と平行する形で滑走路が配置されている。現在このように多彩な交通機関で各地と結ばれる山形だけに、空港の利用者数としては山形新幹線の開業前の1991年に約70万人の旅客数を記録し、これがピークであった。それでもJALは羽田線を維持するほか伊丹線を設定、さらにFDAが新千歳線、名古屋(小牧)線を運航して各都市を結んでおり、ともに投入するエンブラエルが発着機の中心である。愛称は、おいしい山形空港。
 なお2002年まではANAも就航していた。実はANAにとって山形空港は様々なメモリアルフライトの舞台となった地で、727-200、737-200のラストフライト、A320の就航初便でも栄えある投入路線として選ばれた実績がある。
 東日本大震災の際は、仙台空港および花巻空港が閉鎖となり、東北新幹線や東北自動車道も不通となった影響から同空港の需要が増加し、一時的にJALが767-300などの中型機を投入、すでに撤退していたANAも一時的に臨時便として伊丹、中部線を運航して話題となった。

山形空港 DATA

山形空港 DATAGAJ/RJSC

標高:105.2m
面積:91ha
運用時間:8:00-20:00
滑走路:RWY01/19(2000×45m)
着陸回数:2018年度 4千3百回(国内4千2百回・国際67回) 2019年度 4千回(国内3千9百回・国際118回) 2020年度 2千3百回(国内2千3百回)
乗降客数:2018年度 34万8千人(国内33万1千人・国際1万7千人) 2019年度 35万5千人(国内32万5千人・国際2万9千人) 2020年度 8万4千人(国内8万4千人)
貨物取扱量:2018年度 2t (国内2t) 2019年度 15t (国内15t)2020年度 0t
就航会社:JAL、FDA
ターミナルビル・貨物施設の管理:山形空港ビル
拠点を置く航空会社・組織:山形県警察航空隊、山形県消防防災航空隊、陸上自衛隊(第6飛行隊)
公的機関:国土交通省山形空港出張所
所在地:山形県東根市
供用開始日:1964年6月8日(建設は1944年、海軍練習飛行場として)
種別:特定地方管理空港
設置管理者:国土交通大臣(設置者)、山形県(管理者)

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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