連載

温もりあふれる日本最東端の空港 中標津空港

【連載】ニッポンの空港

文:村田尚之
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展望デッキからは武 佐岳や南斜里岳など を順光で望むことが できる。
展望デッキからは武佐岳や南斜里岳などを順光で望むことができる。空港からは中標津の市街地を経由して根室までバスでアクセスできる。

国内初の木造ターミナルビル

 日本最東端の空港である根室中標津空港。同空港は酪農王国・北海道の中でも屈指の酪農地帯である釧路・根室地域に位置する。開港は第二次大戦中だが、戦後は放置されており、整備を経て1965年に再びの開港を果たした。その後、1989年に新滑走路が供用開始となり、同時に新ターミナルビルも竣工している。同年にはJR標津線が廃止となっており、中標津周辺から札幌への移動手段として旅客機の役割がより大きくなった。また、程なく滑走路延長によるジェット化を果たしており、東京への直行便も設定された。
 注目すべきは国内初となる木造空港ターミナルビルで、エゾマツやトドマツの集成材が用いられている(一部は鉄筋コンクリート造)。また、館内のベンチや遊具も木製となっており、木の温もりがあふれる設えとなっている。現在、同空港に就航するのはANAの羽田便と新千歳便のみだが、地域住民の生活を支えるとともに、道東観光の玄関口としての一翼も担っている。

中標津空港 DATA

中標津空港 DATASHB/RJCN

標高:65.2m
面積:116ha
運用時間:8:30-18:30
滑走路:RWY08/26(2000×45m)
着陸回数:2018年度 1,599回(国内1,597回・2回) 2019年度 1,607回(国内1,607回) 2020年度 903回(国内903回)
乗降客数:2018年度 20万6千人(国内20万6千人・国際140人) 2019年度 20万5千人(国内20万5千人) 2020年度 6万人(国内6万人)
貨物取扱量:2018年度 296t (国内296t) 2019年度 228t (国内228t) 2020年度 34t (国内34t)
就航会社:ANA
ターミナルビル・貨物施設の管理:根室中標津空港ビル
ターミナル設計会社:クリエート・日本技建・ケイ設計JV
公的機関:札幌管区気象台新千歳航空測候所中標津航空気象観測所、北海道釧路総合振興局釧路建設管理部中標津空港管理事務所
所在地:北海道標津郡中標津町
供用開始日:1965年7月1日(建設は1944年、海軍飛行場として※1945年に一度閉港)
種別:地方管理空港
設置管理者:北海道

※ この記事は月刊エアライン2022年5月号特集「ニッポンの空港」を抜粋・再編集したものです。

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