連載

ベトナム・ハノイにオープンした「キッザニア」に行ってみた。入口にはベトナム航空カラーの727…なんと元ANA機

【連載】月刊エアライン制作余話

月刊エアライン9月号(7月30日発売)で予定している現地レポート特集「外国エアラインの最前線へ!」の取材のため、ベトナム航空協力のもと、ベトナムのホーチミンとハノイを訪れた取材班。この際、2023年10月にオープンしたキッザニア・ハノイにも立ち寄った。
ベトナム航空はここキッザニア・ハノイにパビリオンを出展しているほか、受付スタッフはベトナム航空の制服を着用、入口ではベトナム航空機のノーズ部が設置されるなど、親子がテーマパークとして楽しむのはもちろん、航空機ファンも注目のスポットなのだ。

文:阿施光南 写真:阿施光南
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キッザニア・ハノイのエントランス。ベトナム航空カラーの727と同社グランドスタッフの制服を着たスタッフが、指で「K」のサインを作って出迎えてくれた。
キッザニア・ハノイがあるロッテモール・ウエストレイク・ハノイ。ハノイ最大級の商業施設で水族館やホテルも併設されている。

西湖沿いのロッテモールにオープンした「キッザニア・ハノイ」

 キッザニアは子供たちのための職業体験型テーマパークだ。日本の3施設を含む世界30か国に展開しており、昨年10月にはベトナムで初めてとなるキッザニアが「ロッテモール・ウエストレイク・ハノイ」にオープンした。ハノイ中心部からノイバイ国際空港に向かう幹線道路沿いというロケーションだ。

 キッザニアは子供たちが警官や医師、銀行員や飲食店員などさまざまな職業にチャレンジでき、楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができる施設だ。ユニークなのは単なる「ごっこ遊び」ではなく、各業種を代表する企業がスポンサーとなり、それぞれの企業の事業方針や仕事内容を反映した体験プログラムが用意されているということ。

空港のようなチェックイン(エントランス)カウンター。このあとイミグレーションもあって、“キッザニア国”に入国することになる。
ベトナム航空関連の職業体験としては現在はパイロットだけだが、今後は客室乗務員も検討されており、いずれはグランドスタッフも加わるかもしれない。
チェックインすると、ベトナム航空のロゴも入った本物そっくりのボーディングパスを渡される。これはマニアも欲しがりそうだ。

 キッザニア・ハノイにはベトナム航空が協力しており、空港を模したチェックイン(エントランス)カウンターでは同社のアオザイの制服を着た係員が出迎えてくれる。館内には子供でも扱えるフライトシミュレーターがあって旅客機の操縦体験ができ、今後は客室乗務員の仕事体験も検討されている。ちなみにベトナムでもパイロットや客室乗務員は人気だが、現在のところキッザニア・ハノイでの人気ナンバーワンは消防士で、パイロットは2位であるという。

空港らしくない「建物」なのは、パイロットの訓練センターだから。内部には子供でも扱えるフライトシミュレーターが6基設置されている。
キッザニアではキッゾという通貨が使われ、訓練などには料金を払い、仕事をすれば給料が支払われる。最後は売店で好きな商品と交換できる。
パイロットの制服を着て教官の説明を聞く。パイロットに求められるのは、乗客の命を守ること。そのためにも、しっかり訓練してください。
教官が操縦方法を教える。小さい子供に教えるのは大変そうだが、知識のある高い年齢の子供の方が質問なども本格的でむずかしくなるという。
機長、しっかりしてくださいと思うような操縦でも、教官がやさしく修正する。ほめて伸ばすのが、ここの訓練方針のようだ。

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入口にボーイング727。ノーズギアにブレーキが付いている機体の経歴をたどると…