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セブ・パシフィック航空、アレクサンダー・ラオ社長が渋谷にて記者会見

LCCでありながら、フィリピン最大の航空会社でもあるセブ・パシフィック航空。社長 兼 最高商務責任者のアレクサンダー・ラオ氏が、ポップアップイベントを開催する渋谷で記者たちに語った。

文:山田 亮(本誌編集部)
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この日の会見にはアレクサンダー・ラオ社長(右)とともに、駐日フィリピン大使館からミレーン・J・ガルシア=アルバノ特命全権大使(左)も出席。「2026年はフィリピンと日本の国交正常化70周年記念の年。両国の絆、緊密な人的交流にはセブ・パシフィック航空をはじめとする航空会社の存在が欠かせませんでした」と語った。

2025年第1四半期、前年比15%増加した日本人旅客

 1996年に運航を開始したセブ・パシフィック航空。2005年にLCCへとビジネスモデルを転換したことで成長軌道に乗り、2010年には国名を冠するフラッグキャリアを追い抜いて、同国における旅客輸送数第1位の航空会社へと躍進した。2024年の旅客数は2,450万人で創業以来の累計値が2億5,000万人を突破。2035年には6,000万人規模への成長を見込んでいるという。

「2025年上半期は前年比23%増の639億フィリピンペソの収益を記録、営業利益率は18%に達し、世界の航空会社のうちトップ5入りを果たしました」と、11月7日に東京・渋谷で記者会見に臨んだアレクサンダー・ラオ社長 兼 最高商務責任者(CCO)の表情は明るい。

 フィリピンにおける市場シェアは国内線で57%、国際線で26%。同国最大の航空会社というイメージからすると国際線のシェアが思いのほか控え目に感じるかもしれないが、「東南アジアのほか、日本・中国・韓国など、フィリピンから4〜5時間で到達できるエリアにフォーカスしています。この市場には20億人というポテンシャルがあり、なかでも日本路線には特に重点を置いています」という。

 その理由について、「フィリピンへの渡航者のうち日本は上位3位に入ります。この関係を強化したいのです。私たちは1年間で130万人のお客さまを日本とフィリピン間で輸送しており、マニラ線では70〜80%をフィリピン人のお客さまが占めますが、セブ線では半々近い割合になります。日本人のお客さまは今年第1四半期、前年比で15%増加しました」。

 また、こうした両国間の輸送がフィリピン全土に恩恵をもたらし、日本人旅行者にも利便性の面でメリットを提供していると語った。

機材面では「2025年中にエアバスA330neoをさらに4機受領(すでに2機受領)し、同型機を計14機体制に強化。A320neoも2機、A321neoも1機受領します」と語ったアレクサンダー・ラオ社長。LCCとしての強みである価格競争力についても自信を語った。

冬期スケジュールでは日本路線の増便も計画

 日本路線においては、現在以下のフライトを運航しており、記載の通り冬スケジュール中には積極的な増便も計画している。

●成田発着
マニラ(週14便)
セブ(週8便→11月24日から週11便に)
クラーク(週5便→11月10日から週7便に)

●関西発着
マニラ(週7便)
セブ(週7便→12月20日〜2026年1月4日まで週11便に)

●中部発着
マニラ(週7便)

●福岡発着
マニラ(週7便)

●新千歳発着
マニラ(週3便→12月9日から週7日に)

この記者会見の翌日と翌々日にはSHIBUYA 109でのポップアップイベントを企画するなど、就航各地でのPR活動にも注力している。

「片道基本料金100円から!」のキャンペーンも展開

 日本市場におけるPR活動にも力を入れていて、就航する5都市での屋外広告キャンペーンなどを展開している。

 ちょうどこの記者会見が行なわれた翌日と翌々日(11月8日・9日)にはSHIBUYA 109でのポップアップイベントが予定されていて、同社フライトのシミュレーション体験や、セブ島をはじめとするリゾートへのヴァーチャル旅行体験、往復航空券が当たる抽選会などを実施。

 11月10日からは片道基本料金100円からというキャンペーンも展開し、「幸せに向かって飛び立とう フィリピンへ!」をキャッチフレーズに、さらなる認知度向上に力を入れる考えを示した。

 なお、台風25号によるセブ島などへの甚大な被害も報じられているが、同社に与える影響ついては、「ビジネスへの影響は何らかあるものと考えています。フィリピンは年に20回以上もの台風に見舞われる国ですから、このような事態への強靭な態勢を整えています」と語った。

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