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キヤノンEOS R6 Mark III、飛行機撮影で気になる点をチェック。高画素化でクロップしやすく、プリ連続撮影も

11月6日、キヤノンはEOS Rシステムの新たなボディ、EOS R6 Mark IIIを発表。早くも3世代目となったEOS R6シリーズの最新機種を、飛行機撮影の視点から掘り下げよう。

文:ウォレンス雄太(本誌編集部) 写真:ウォレンス雄太(本誌編集部)
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RF24-105mm F4-7.1 IS STM(手前)とRF24-105mm F4 L IS USM(奥)にそれぞれ装着したEOS R6 Mark III。ボディ単体のほか、この2本のレンズがそれぞれセットとなるレンズキットもラインナップされる。

2,420→3,250万画素へ、クロップやトリミングの耐性がアップ

 キヤノンの「6」を冠したボディ。ハイアマチュア向けフルサイズモデルとして長年君臨し、ミラーレスに移行してからもEOS R6、EOS R6 Mark IIと進化してきた。そして、EOS Rシリーズにおけるその歴史は早くも3代目へ。EOS R6 Mark IIIが、11月21日に発売される。

 先代のEOS R6 Mark IIから大きくアップデートされたEOS R6 Mark III。中でも注目すべきは、有効画素数の大幅な向上だ。EOS R6(2,010万画素)やEOS R6 Mark II(約2,420画素)ではどこか物足りなさがあり、特にクロップやトリミングを使うことも多い飛行機撮影においては、画素数がネックとなることもあっただろう。しかしEOS R6 Mark IIIでは、有効画素数が約3,250万画素へと大幅にアップ。レンズの焦点距離が少し届かないケースでも十分な画質を確保できる。

 EOS R6、EOS R6 Mark IIといえば高感度撮影時のノイズ耐性に定評があったが、この点はどうか。高画素化のトレードオフとして高ISO時にノイズが出やすくなっているため、常用ISOはEOS R6 Mark IIの最大128000から、最大64000へと抑えられている。しかし、常用範囲内の同じISO値同士で比べると、EOS R6 Mark IIIはEOS R6 Mark IIと同等の画質を実現しているという。

 またEOS R1やEOS R5 Mark IIに搭載されたニューラルネットワークノイズ低減機能こそ搭載しないが、キヤノンが提供する画像処理ツール、「Neural network Image Processing Tool(有料)」を使用することで、同等のノイズ低減処理を施すことができる。

飛行機撮影のメインレンズとして使っている方も多いだろう、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMを装着したEOS R6 Mark III。高画素化したことで、1.6倍クロップを使った800mm相当での撮影も画質の心配なくできるようになった。

プリ連続撮影やCFexpress Type Bへの対応も

 一方、EOS R1やEOS R5 Mark IIでお馴染みの機能で搭載されたものもある。その一例が、シャッターボタンを半押ししておくことで、全押しした瞬間から最大20コマ、最大0.5秒前までを記録できる「プリ連続撮影」だ。例えば月と飛行機を重ねて撮る「月丼」など、わずかな「一瞬」を切り取る撮影も、タイミングを逃さず捉えやすくなっている。

 そして「タイミングを逃さない」といえば、もう一つ欠かせない要素が記録媒体だ。これまでEOS R6とEOS R6 Mark IIはいずれもSDカード×2枚のダブルスロットだったが、これがCFexpress Type B+SDカードという構成に。SDカードと比べて書き込み速度が速いCFexpress Type Bに対応したことで、RAW記録時のバースト枚数はEOS R6 Mark IIの2倍となる、約150枚に進化。連写時に詰まる心配が少なくなり、3,250万画素×秒速最大40コマの高速連写性能も存分に発揮できる。

 またこれ以外にも、手ブレ補正性能はレンズとの協調制御で最大8.5段(EOS R6 Mark IIは8.0段)に。AFも安定性が強化され、被写体を追従しやすくなった。もちろん、EOS R6 Mark IIと同様、AFの被写体認識のモードには「飛行機」が搭載されている。

 さらに、EOS C50に初搭載されたオープンゲート記録(センサー全体で記録し、後から縦や横など、自由な画角の動画を切り出せる機能)をミラーレスEOSのボディで初めて採用するなど、動画撮影機能も強化。高画素化やこうした動画性能と合わせて、EOS R6 Mark III 1台を持っているだけであらゆるニーズや使用シーンに対応する。

EOS R6 Mark III(手前)とEOS R6 Mark II(奥)を並べてみた。ボタンやスイッチの配置などは同じだが、動画撮影ボタンが大型化され、操作性が向上している。
背面もEOS R6 Mark II(奥)のデザインを踏襲している。

予約受付は11月11日から、発売記念キャンペーンも

 EOS R6 Mark IIIは、11月21日に発売予定。11月11日10時より予約受付を開始する。ボディ単体のキヤノンオンラインショップ価格は42万9,000円(税込)。ほかにレンズキット2種(RF24-105mm F4 L IS USM、またはRF24-105mm F4-7.1 IS STMとのセット)もラインナップされる。

 さらに2026年1月14日までにEOS R6 Mark IIIのボディまたはレンズキットを購入、かつ1月28日までに応募した人全員に、特典を提供する発売記念キャンペーンを開催。サンディスクの「Extreme PRO CFexpress Type B(128GB)」1枚のほか、前述の「Neural network Image Processing Tool」の5,500円分(1年分に相当)の無料クーポンがプレゼントされる。

この日は同時に、EOS Rシステムの新たなレンズとなるRF45mm F1.2 STMも発表された。キヤノンオンラインショップ価格6万6,000円(税込)という手頃な価格帯で、開放F値1.2のボケ味や明るさを楽しむことができる。写真はEOS R8に装着した様子。

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