ニュース

ユナイテッド航空の成田ハブを強化する第4の新路線、コロール線就航! ネットワーク増強計画ついに完了

2024年に発表された、ユナイテッド航空による成田発の以遠権路線の計画がついに完成を見た。セブ(フィリピン)、ウランバートル(モンゴル)、高雄(台湾)に続き、10月29日にコロール(パラオ)線が就航。成田空港第1ターミナル32番ゲートで行なわれた記念式典にはパラオ共和国の大統領も出席し、この新路線開設を盛大に祝った。

文:芳岡 淳 写真:芳岡 淳
X Facebook LINE
就航を記念して来賓や関係者による鏡開きが行なわれた。

日本からパラオへの直行便を運航する唯一の航空会社に

 10月29日、ユナイテッド航空は以遠権を利用した新規路線として、成田=コロール(パラオ)線を就航させた。同社は、グアムにネットワークおよび機材・乗員の拠点を有することから、中近距離路線機材であるボーイング737-800を日本路線に使用することが可能で、2024年から以遠権路線の展開によるネットワークの強化を進めてきた。

 今回開設されたコロール線は、セブ、ウランバートル、高雄に次ぐ4路線目で、これにて計画していた以遠権路線の全てが開設された。この新路線によって、ユナイテッド航空は、日本からパラオへの直行便を運航する唯一の航空会社となった。

 コロールを最大都市とするパラオは、西太平洋に浮かぶ約586の島々からなる国で、世界屈指のスキューバダイビングのスポットが点在するなど、レジャー需要が高い路線だ。これまで日本からパラオへ行くには、グアムを経由し、半日以上かけて渡航する必要があったが、待望の直行便の開設によって約5時間で辿り着くことができる。

就航セレモニーの前には、パラオ共和国 スランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領(左)とユナイテッド航空 国際規制・政策担当副社長 スティーブ・モリッシー氏(右)によるプレスカンファレンスが行なわれた。大統領は集まった報道陣に対して、「皆さんが報じてくださることで需要拡大に繋がり、路線は維持される」と感謝の言葉を述べた。
こうした就航セレモニーに一国の大統領が出席することは非常に珍しい。パラオにとってこの路線開設の重要性がうかがえる。
就航初便セレモニーでスピーチをするユナイテッド航空 国際規制・政策担当副社長のスティーブ・モリッシー氏。

パラオ共和国の大統領が語る「週2便から週4便、そしてデイリー運航へ」

 親日国としても知られるパラオだけに、就航初便式典には、スランゲル・S・ウィップス・ジュニア大統領がこの日のために来日した。「成田発は、水曜と土曜日の週2便でスタートするが、将来的には週4便、さらにはデイリー運航という夢を叶えたい」との期待が語られた。

 就航初便にアサインされたのは、2001年に旧コンチネンタル航空向けに製造されたN32264。同機もグアムをベースにしており、アイランドホッピング路線として有名なグアム=チューク=ポンペイ=コスラエ=クワジェリン=マジュロ=ホノルル線にも度々投入されている。

就航初便は、乗客153名を乗せてパラオへ出発。搭乗時には、記念品も進呈された。

2026年には737 MAX 8へ更新。新機材に期待が高まる

 この日は、UA824便としてサイパンから飛来し、コロール行きの初便UA143便へと投入されるパターンで、コロールではナイトステイの後、翌日の夕方に成田へ戻る運用となっている。また一連の以遠権路線の便名は、アメリカ本土と日本を結ぶ路線のものが使用されているが、今回開設されたUA142/143の便名は、成田=デンバー線で使用されている便名だ。

 そして、現在は737-800で構成されているグアムベースの機材も、2026年には737 MAX 8への更新が計画されている。エンターテインメント設備なども強化され、快適性に優れた新機材の投入が待ち遠しい。

コロール線初便UA143便は、34番ゲートから出発。同時間帯にセブ行き、高雄行きも出発する。
T誘導路へと差し掛かるタイミングで放水アーチによるお見送りの演出も。乗客にとっては思わぬサプライズになっただろう。

関連キーワードもチェック!

関連リンク