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開園迫る! 千里川土手の新公園「豊中つばさ公園『ma-zika』」記念式典開催

“飛行機撮影の聖地”とも呼ばれる伊丹空港の飛行機撮影スポット「千里川土手」。このそばに大阪府豊中市が整備を進めている「豊中つばさ公園『ma-zika』」が8月12日に一部開園することを記念し、式典が開催された。

文:本誌編集部 写真:本誌編集部
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豊中つばさ公園「ma-zika」一部開園記念式典でテープカットに臨む関係者。

 大阪府豊中市は8月7日、伊丹空港の飛行機撮影スポット「千里川土手」のそばで整備を進めている「豊中つばさ公園『ma-zika』」の8月12日一部開園を前に、記念式典を開催。地域や空港・航空会社の関係者ら約30名が出席した。

 1981年に定められた「大阪国際空港周辺の騒音等激甚地区における地区整備の基本的な方向」に基づき、1985年に当時の運輸省(現在の国土交通省)と大阪府が空港隣接地や飛行進入直下を中心とする騒音等激甚地区を緑地として整備する覚書を締結。その後、千里川土手の南東側にあたるエリアは豊中市に無償貸与され、「原田緩衝緑地」として「記念樹の森」などを有する緑の多い空間として整備されていた。

 そして、2021年に豊中市から、原田緩衝緑地と千里川土手を一体的な空間として整備する新たな構想が発表され、公園としての整備が決定。公募によって「豊中つばさ公園『ma-zika』」と名付けられた。今回の一部開園、そして2027年3月の全面開園に向けて、株式会社KULを代表企業とする「HARADA 緑と風のエアガーデングループ」によって整備が進められている。

 式典であいさつした豊中市の長内繁樹 市長は、「音を緩衝するだけの緑地。昔はここが疎まれていた時期もあった」と地元に向けて労苦に謝意を示すとともに、「新しいニーズがあり、千里川土手は航空機ファンの聖地となっている。豊中市には大阪国際空港のほかに観光資源がない。この公園は、楽しんでいただける空港、愛される空港という大きな転換点になる」と、豊中市の魅力を高めるスポットとなることに喜びを表している。

豊中つばさ公園「ma-zika」の案内図。
一部開園エリアがクローズアップされた豊中つばさ公園「ma-zika」の案内図。全面開園時には南側にも入口が設けられる予定であることが分かる。
公園東側にある駐車場の入口。
時折雨が降るなか、屋根付き展望広場で開催された一部開園記念式典。
大阪府豊中市の長内繁樹 市長。

 豊中つばさ公園「ma-zika」の総敷地面積は約5.9ヘクタール(約5万9,000m2)。この8月12日には、約1.2ヘクタール(約1万2,000m2)の敷地に、これまでに有していた「学習の森」「記念樹の森」のほか、127台収容の平面駐車場、そしてトイレや授乳室、屋根付き展望広場を備える管理事務所が開設される。

 2027年9月の全面開園時には駐車場の収容台数が273台に拡張されるほか、飲食施設や屋根付きバーベキュー広場、大屋根を備えたマルシェ広場、航空灯火周囲に広がる丘のある展望広場、遊具広場、大阪・関西万博の会場に植えられている樹木を移植する観察の森などが開設される予定となっている。

駐車場。
1階にトイレや授乳室、2階に屋根付き展望広場を備える管理事務所。階段またはエレベーターで2階を行き来できる。
駐車場の脇から管理棟を見た様子。アプローチのルートと平行にはなっていないが、飛行機との距離はかなり近い。

 また、8月12日には、2025年に入ってから工事で通行止めとなっていた千里川右岸の堤防も供用を開始する。こちらは滑走路を模したデザインで舗装され、アプローチコース付近には空港に向かって座ることができるベンチも設置された。

 ちなみに、南側から見ると左側にあたる堤防は滑走路標識に「03R」と記されている。「03」は方角に合わせての数字とのことだが、「R」は千里川の右岸であることを示している。また、真っ直ぐに伸びる堤防ではなく、北側の入口もその付近の方角に合わせた数字にしているため、南側と北側の2つの数字を引き算をしても「18」にはならないとのことだ。

右岸が整備された千里川土手。
8月12日に供用が開始される右岸。滑走路模した遊歩道になった。
空港を向いたベンチも新設されている。
“飛行機撮影の聖地”とも呼ばれる伊丹空港の飛行機撮影スポット「千里川土手」。このそばに大阪府豊中市が整備を進めている「豊中つばさ公園『ma-zika』」が8月12日に一部開園することを記念し、式典が開催された。

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