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ボーイング787を撮る人×操る人。岡本 豊氏とANA西山機長が787愛を語る
キヤノンフォトハウス銀座・大阪で開催中の、ヒコーキ写真をテーマにした特別展「Focus on Flight」。航空写真家4名の作品が飾られているが、その中の1人、岡本 豊氏のトークショーが開催された。ボーイング787をこよなく愛する岡本氏。その対談相手も787が“愛機”のANA現役パイロット、西山裕一機長だった。

787を愛する2人による濃いトーク
「All Nippon 40, Runway 32L, cleared for takeoff」。土曜の午後、ANA現役キャプテンの“生管制交信”が響き渡っていたのは、都会のど真ん中、キヤノンフォトハウス銀座だ。
8月23日まで、ここキヤノンフォトハウス銀座と、同・大阪で開催されている4人の航空写真家による特別展「Focus on Flight」。これに合わせて、5月31日、出展者の1人である岡本 豊氏のトークショー「I Love 787」が開催された。岡本氏の作品といえばボーイング787をテーマにしていることが有名だが、今回はスペシャルゲストとしてANAの現役787パイロット、西山裕一機長が登場。787を撮る人、操縦する人それぞれの立場から、787愛を語った。
事前登録制で実施された今回のイベント。先着25名の枠は一瞬で埋まったという。ただし空席があれば当日参加も可能で、立ち見客も含めて多くの人が待つ会場へ2人が姿を現すと、盛大な拍手で迎えられた。

787とEOS R1、ともに最新鋭機を扱う2人
トークはまず、2人の“機材”の話から。787はもちろん、岡本氏が愛用するキヤノンのフラッグシップ、EOS R1についても、それぞれの分野の最新鋭機だからこその強みをたっぷりと語った。そして、その2つの最新鋭が融合することで生まれる岡本氏の作品とともに、トークはどんどん盛り上がっていく。岡本氏がおすすめする787の座席や、機内での西山キャプテンとの思いがけない出会いなど、会場は笑いあり、歓声ありだった。

さらに後半には、乗客あるいは写真家の視点から撮る岡本氏と、機長の視点で操る西山キャプテンならではの掛け合いも。例えば機窓や地上から見える積乱雲。写真を撮る人にとっては作品を飾る「綺麗」な光景であり、「どうやってヒコーキと絡めるか」と考える積乱雲も、旅客機の安全に責任を持つ機長が見れば自身の機体にとって「脅威」であり、「どうやって避けるか」を考える。同じ写真でも、2人の視点が全く異なることが面白い。

西山キャプテンの“生交信”で締めくくる!
そして最後には、いつも千里川土手で「西山キャプテンの交信を聞けないかなぁ」と航空無線に耳を傾けているという岡本氏から、あるリクエストが。「東京行きの最終便、NH40便の離陸動画を流すので、“生交信”を聞かせてもらえませんか?」。少々照れくさそうにしながらも、滑走路上で止まらずそのまま離陸滑走を始めるローリング・テイクオフを実施する787の動画を横目に、「All Nippon 40, Runway 32L, cleared for takeoff」のセリフでトークを締めくくってくれた。

トーク終了後には質問コーナーも設けられたが、そこでは夜間撮影時に作品にも大きく影響する旅客機のライトについての質問が。主翼を照らすウイングライトや、垂直尾翼を照らすロゴライトなどをどのように運用しているのか、現役キャプテンだからこそわかる貴重な情報を聞くことができた。
「I Love 787」は6月28日、キヤノンフォトハウス大阪においても開催される。こちらもすでに事前申し込み枠は満員となっているが、会場に空きがあれば立ち見での観覧も可能。ぜひ足を運んでみて、2人の787愛を生で感じ取ってほしい。



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