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DHL定期貨物便における国産SAF使用、セントレア発着路線でスタート!

5月23日朝、中部国際空港セントレアで挙行された 「セントレア国産SAF供給開始記念セレモニー」。定期貨物便における国産SAF(持続可能な航空燃料)使用は日本初で、今年1月にDHLが締結したコスモ石油マーケティングとの調達計画に基づき、晴れて運用開始の日を迎えた!

文:本誌編集部 写真:村田尚之
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5月23日朝の「セントレア国産SAF供給開始記念セレモニー」。DHLフルカラーをまとうエアホンコンのA330F(B-LDS)をバックに、関係者たちが記念撮影に臨んだ。セントレアのマスコットキャラクター「なぞの旅人 フー」もSAF製造に役立つエビフライを手にしている。

『セントレアを起点としたSAFサプライチェーン』の地域連携プロジェクト

 国際エクスプレス輸送大手のDHL Expressが、日本における持続可能な航空燃料(SAF)の調達に向けてコスモ石油マーケティングとの契約を締結したのは今年1月のこと。
 5月23日、この契約(年間720万リットルを供給)に基づく国産SAF・5万リットルが初供給され、中部国際空港セントレア発の定期貨物便にて使用を開始した。

 定期貨物便の航空燃料としてSAFが使用されるのは日本初。同日朝のセントレアではDHLジャパン(株)のトニー カーン社長、中部国際空港(株)の犬塚 力 社長、供給側であるコスモ石油マーケティング(株)の高山直樹 社長らのほか、愛知県の大村秀章 知事ほか常滑市の伊藤辰矢 市長など空港周辺自治体の代表者も一同に集い、エアホンコンのエアバスA330Fとともにフォトセッションに臨んだ。

 今回のDHL中部便におけるSAF利用は、『セントレアを起点としたSAFサプライチェーン』の地域連携プロジェクトと位置付けられている。すなわち、セントレアと空港周辺自治体が連携・協力してSAFの原料となる廃食用油の回収・供給を担い、これをコスモ石油堺精油所(大阪府堺市)内で今年4月に稼働した国産SAFの製造プラントで活用、精製されたSAFはコスモ石油マーケティングの海上輸送によりセントレアに搬入され、DHL機に搭載されるという循環型かつ持続可能な燃料供給サイクルを構築している。

 なお、堺のプラントにおける国産SAF製造はコスモ石油、日揮ホールディングス、レボインターナショナルの3社により設立された合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが担う。

DHL定期貨物便のボーイング777Fに供給されるSAF混合の航空燃料。年間契約の720万リットルは、DHLが北米ハブを置くオハイオ州シンシナティ=名古屋間の185便分に相当するという。
DHLジャパンのトニー カーン社長。「DHLグループは継続的にSAFなどの代替燃料への投資を行なっており、その過程で得た知見は、『セントレアを起点としたSAFサプライチェーン』の参画にも大いに活かされると確信しています。単に持続可能な燃料調達にとどまらず、地域と連携し、航空輸送における温室効果ガス排出の削減に向けて、実効性ある変革を推進していきます」
中部国際空港の犬塚 力 社長。「セントレアで初供給となる国産SAFが、この度、DHL貨物機に搭載されたことを心より嬉しく思います。今後も持続可能な航空・物流インフラとして、多様なステークホルダーの皆様と連携しながら、環境と地域に貢献する空港運営を目指していきます」
地域連携プロジェクトとして愛知県の大村秀章 知事ほか空港周辺自治体からも代表者がセレモニーに参加した。
地域連携プロジェクト『セントレアを起点としたSAFサプライチェーン』のサイクル。セントレアから空港周辺自治体への呼びかけによる廃食用油の回収、SAFの製造、空港での供給、SAFを使用した低炭素輸送までを一貫して完結する循環型の取り組みだ。
5月23日朝、中部国際空港セントレアで挙行された 「セントレア国産SAF供給開始記念セレモニー」。定期貨物便における国産SAF(持続可能な航空燃料)使用は日本初で、今年1月にDHLが締結したコスモ石油マーケティングとの調達計画に基づき、晴れて運用開始の日を迎えた!

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