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YS-11量産初号機を感じる、ザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」オープン1周年記念イベントを開催中!

「ザ・ヒロサワ・シティ」は茨城県筑西市、JR水戸線「下館駅」近くに所在。“陸・海・空・宇宙のテーマパーク”を謳う、乗り物をメインとした展示施設「ユメノバ」では、オープン1周年を記念して「科博廣澤航空博物館」などの各施設で記念イベントを実施している。

文:小久保陽一 写真:小久保陽一
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科博廣澤航空博物館に展示されているYS-11の量産初号機(JA8610)。全長は26.3m。1周年のイベントでは、その機内を最後部のカーゴルームから操縦席まで、しっかり観察することが可能だ。航空局飛行検査機仕様の機内装備にも惹かれる。

1周年記念、貴重な「機械遺産」の操縦席特別搭乗体験

 2025年2月11日にオープンから1年を迎える、茨城県筑西市のザ・ヒロサワ・シティ「ユメノバ」。これを記念して2月8日(土)から11日(火・祝)の4日間、記念イベントを開催している。ユメノバ内の「科博廣澤航空博物館」では、国産旅客機YS-11の操縦席特別搭乗体験を実施するほか、ジオラマ・ゲーム館のオープンやラジコンボード操船体験などを用意し、訪れた人々を楽しませる。

 科博廣澤航空博物館の展示機は、歴史的価値の高い8機。国立科学博物館が所有する貴重な歴史的文化財であるYS-11の収蔵機JA8610は、計182機が生産された同機種の量産初号機(製造番号2003)にあたり、かつての運輸省航空局の飛行検査機として活躍していた。1965年から1998年12月18日の運用期間を通じて、その飛行時間は2万時間を超えるという。

 2007年には日本機械学会が「機械遺産」に、翌2008年には日本航空協会が「重要航空遺産」に同機を認定している。

 同機はその後、国立科学博物館に引き渡され、羽田空港旧整備場のハンガー内で保管されていた。しかし、そのハンガーが取り壊されることとなり、収蔵先として名乗りを上げたのがザ・ヒロサワ・シティだった。2020年に羽田から移送された際には、分割された機体の夜間陸送が話題となったことをご記憶の方も多いに違いない。そんな貴重な存在、日本の航空機産業のマイルストーンであるYS-11の機内を、今回じっくりと見学・体感できるのだ。

【YS-11(量産初号機)の操縦席特別搭乗体験】
●参加方法:要予約
●電話番号:0296-48-7417(10時30分〜16時)
●定員:18組(各15分)
●料金:1家族1,000円(5名まで)+別途ユメノバ入場料(大人2,500円、大学生・高校生1,000円、中学生700円、小学生・身体が不自由な方500円)

YS-11について丁寧に説明する科博廣澤航空博物館 館長の野口さん。
YS-11以外にも貴重な展示機たちが。手前は零式艦上戦闘機二一型。海底から引き上げられたのち、風防は他の機体のものを使用して修復。複座機である。奥はかつて南極観測船「宗谷」に搭載されていた海上保安庁のシコルスキーS-58。

1周年イベントは飛行機だけじゃない!

 このほか「ユメノバ」では、2月8日にジオラマ・ゲーム館もオープン(オープン記念で2か月間無料)。ここは、鉄道模型のジオラマパラダイスで、「HOゲージジオラマ」はザ・ヒロサワ・シティから筑波山までの風景を再現している。40㎡の広大なジオラマの中を、走行サウンドまで再現しながら大型列車が走り回る。筆者も「ここまで再現しているのか!」と驚いた。

 一方、「Nゲージジオラマ」は実際に運転可能なシステムを構築しており、4種類の異なるマスコンで操作できる。着席する座席はE3系新幹線の運転席というこだわりようだ。さらに、プロジェクションマッピングによる体感ゲームや、懐かしいインベーダーゲームも楽しめるのが「ジオラマ・ゲーム館」という名称の所以だ。また、2月8日と9日には「ラジコンボート操船体験」(オープン記念として期間中無料)も開催されている。

 各イベントの詳細は、ザ・ヒロサワ・シティのウェブサイトで確認のうえ訪れていただきたい。

ヒコーキ好きにはたまらない展示が見られるザ・ヒロサワ・シティのユメノバと科博廣澤航空博物館。
Nゲージジオラマを運転できるシートは新幹線E3系の運転席。かなり凝っている。4種類のマスコンを使用する。
「ザ・ヒロサワ・シティ」は茨城県筑西市、JR水戸線「下館駅」近くに所在。“陸・海・空・宇宙のテーマパーク”を謳う、乗り物をメインとした展示施設「ユメノバ」では、オープン1周年を記念して「科博廣澤航空博物館」などの各施設で記念イベントを実施している。

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