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新千歳空港で高校生が空港見学。グラハン業務を間近で体感
空港グランドハンドリング協会が、高校生向けの空港見学会を開催。空港内のカウンターやランプでの出発作業など、航空需要が伸びる北海道のグラハン業務を知ってもらうことを目的としている。
10月20日、北海道内の高校生(一部中学生)とその保護者を対象にした「空港のお仕事見学ツアー」が新千歳空港で開催された。このイベントは一般社団法人空港グランドハンドリング協会と、新千歳空港を運営する北海道エアポート株式会社の共催で、旅客機の運航をさまざまなシーンで支えるグランドハンドリング業務の認知向上を目的としている。
空港グランドハンドリング協会は、航空産業におけるグランドハンドリング業界の持続的発展および会員事業者が連携し、業界の共通課題解決を通じて経営基盤を強化する事を目的に、2023年8月に設立された団体。2024年10月時点で101社の事業者が会員として参加している。
グランドハンドリング業務は、空港で航空機の誘導・貨物搭載を行なう「ランプハンドリング」、乗客の搭乗をサポートする「旅客ハンドリング」、航空機のパイロットに対して運航に必要な情報を提供する「オペレーション」など多岐にわたるが、長年慢性的な人手不足に悩まされている。北海道でも人手不足の影響は深刻で、新千歳空港を中心に訪日観光客の増加に伴う需要の伸びに対して、ハンドリング業務の受け入れ態勢が整っていないのが実情だ。
今回の見学ツアーは北海道内の空港でハンドリング業務を行なう7社(アサイ、ANA新千歳空港、エスエーエス、JALグランドサービス札幌、JALスカイ札幌、スカイマーク、西鉄エアサービス、北海道空港)が参加。午前と午後の2部が開催され、午前は48名、午後は15名の高校生(一部中学生)と保護者が参加した。
午前の部では学生らが4グループに分かれ、ターミナル内で「旅客ハンドリング」業務や、国際線ランプエリア内で「ランプハンドリング」業務を見学。ランプエリアでは、出発する航空機をプッシュバックするトーイングトラクターに学生が一緒に乗り込み、作業を間近で体験した。
その後、参加企業の現役社員と学生による交流会を開催。学生からは「航空業界を志望した理由」や「仕事でのやりがい」、「有給休暇の取得しやすさ」といった普段聞きにくい踏み込んだ質問もあった。現役社員からは「空港での仕事終わりにそのまま旅行に出掛ける事ができ、休暇を有効に活用できる」といった空港勤務ならではエピソードが紹介され、笑い交じりの和やかな雰囲気であった。
交流会のあと、取材に応じた空港グランドハンドリング協会の曽原倫太郎 執行理事は「北海道は人手不足が厳しい状況だが、航空需要は伸びてきている地域。会員事業社も多い新千歳空港で、全国で初めてとなる試みでの開催となった。参加していただいた学生の皆さんが我々の話を真剣に聞いて下さり、グランドハンドリングの仕事を知っていただく、意義深いイベントとなった」と語り、ほかの空港でも同様のイベントを展開していきたいと、今後の意欲をみせた。ぜひ読者の皆さんにも、グランドハンドリングの仕事に興味を持っていただけることを願うばかりだ。
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