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ふたたび羽田空港でボーイング727に会えるなんて! 10月7日に来日したVP-BAP

輝くボディに垂直尾翼付け根のエンジン吸気ダクトが主張するこの機体は、今や世界的に貴重な存在となったボーイング727。非ストレッチ・モデルの全長は40メートルほどで737-800と近いが、醸し出す存在感はその数値以上だ!

文:本誌編集部 写真:芳岡 淳
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羽田空港に飛来したVP-BAP。騒音軽減のためのハッシュキットや主翼端へのウイングレット装着といったアップデートを重ねながら、現代まで飛び続けてきた。

1967年製造の元パンアメリカン航空機

 10月7日の朝6時50分頃に羽田空港のRWY34Lに降り立ったボーイング727(VP-BAP)。昨年10月には成田と関西空港にも飛来してファンを喜ばせたが、この日、ふたたびの来日を果たした。

 2004年からロサンゼルスを拠点とするMalibu Consulting Corporationのコーポレート機として運用されているが、さかのぼれば1967年にデリバリーされたパンアメリカン航空(パンナム)のN358PA“Clipper Flotte Motte”で、機齢は57年に達するベテラン。パンナム時代は欧州域内のネットワークで活躍。その後は1981年から一貫してプライベート・ユース機として飛んできた経歴を持つ。

 今回の来日では、10月4日に運航拠点を置くロサンゼルス北西のヴァン・ナイズ空港からロスの東に位置するジャクリーン・コックラン・リージョナル空港に移動。翌5日に同地を発ち、アラスカ州コールドベイ経由で飛来した。

全長40.59mのサイドビュー。中央のJT8Dエンジンは、垂直尾翼付け根からS字形状の吸気ダクトによりエアーを導く。

朝の羽田空港で輝く、この美しいスタイリング

 1963年に初飛行したボーイング727は全長40.59mの基本モデルである100型と、1967年に初飛行した全長46.69mの200型に分けられるが、VP-BAPはオリジナルの胴体を持つ100型である。日本においては日本航空、全日本空輸、日本国内航空の3社が揃って導入して国内線のジェット化を加速させたことで、馴染み深い三発ジェットライナーだ。

 大ヒットしたボーイング727の製造機数は合計1,832機を数えるが、ジェット化の進展と航空需要の成長著しい時代にあって、その製造機の約8割をストレッチした200型が占めた(貨客型が好評を博したことも200型が多い理由だ)。それだけに407機の製造に留まったオリジナルの胴体長は貴重。

 この美しいスタイルを現代の羽田空港で拝めるとは、なんと幸運なことだろう!

輝くボディに垂直尾翼付け根のエンジン吸気ダクトが主張するこの機体は、今や世界的に貴重な存在となったボーイング727。非ストレッチ・モデルの全長は40メートルほどで737-800と近いが、醸し出す存在感はその数値以上だ!

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