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国際空港上屋の現場力を見た! 747フレイター行き交う、躍動する貨物地区
成田空港という世界有数のエアカーゴ拠点へ!
輸入貨物は冷蔵・冷凍、動物など、適切な保管施設に
しかし、我々が乗客として間近に見る機会の多い旅客便とは異なり、航空貨物関連の業務を知る機会は少ない。輸入と輸出でもそのフローは異なるので、まずは輸入貨物ハンドリングから順に見ていくことにしよう。
ランプハンドリング部門により航空機から降ろされた貨物は、荷捌きや保管を行なう「輸入上屋」へと運ばれる。一般的に航空貨物はコンテナやパレットといったULD(ユニット・ロード・デバイス)にまとめて搭載されており、上屋内で待つ輸入ハンドリング部門の手によって取り下ろされる。この作業を解体と呼ぶ。その後、事前に共有された貨物情報に基づいて個数の確認や、破損がないかといったチェックが実施される。
このあとそれぞれの貨物は、特性に合わせて適切な保管施設へと蔵置される。ここでいう“適切な”とは、医薬品や生鮮品であれば冷蔵・冷凍施設、生き物であれば動物室といった施設での保管を意味し、IACTではこの他にも貴重品庫や危険物室などを用意している。そして、輸入許可が下りた貨物は顧客へと引き渡される、という流れをたどる。
輸入上屋~到着貨物をULDから解体、品質をチェック
温度管理専用上屋~薬品・生鮮・加工食品などに不可欠
輸出パレットへの積み付け、ULDビルドアップの妙技
一方、輸出貨物ハンドリングの場合はトラックによって成田空港へと運ばれてきた輸出許可済貨物を、まずは「輸出上屋」へと搬入。そして貨物の重量や形状、特性に合わせてULDへの積み付けプランが作成される。
IACTでは、この積み付けプランの作成をドキュメントハンドリング部門が担当しており、カーゴスペースの空き状況に合わせて作成された搭載貨物の情報がエアラインと共有される。そのプランに沿ってULDに貨物を積み付けてゆくのが輸出ハンドリング部門で、その完了後、ULDの重量を計測して、運航補助担当者へと情報を送付。航空機への搭載を担当する、ランプハンドリング部門へとULDを引き渡す、という流れだ。
このように、航空機への搭降載を行なうランプハンドリング業務、ULDへの積み付け・解体を行なう輸入・輸出業務、ドキュメント作成業務など複数の工程があるが、IACTでは契約するエアラインごとに請け負う業務内容は異なるという。つまり、輸入とドキュメント作成のみを担当するエアラインもあれば、輸出入とドキュメント作成、ランプでの搭降載業務まで一括して受託しているエアラインもある。2023年末時点の数字で、輸入業務49社、輸出業務42社、ドキュメント作成46社、ランプ業務25社のエアラインから業務を受託しているとのことであった。
空港利用者の立場では通常、目にする機会のない上屋内での作業は、さすが50年を超える歴史と実績を持つ専門企業だけあって、じつに手際よく仕事が進んでゆく。例えば、積み付けであればパレット上に指定された貨物がフォークリフトにより積まれてゆくのだが、形状も素材も異なる貨物が規定のサイズにビルドアップされてゆく様子は「お見事!」のひと言につきる。
輸出上屋~航空機搭載貨物をULDへと積み付ける
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IACTに訊く! 成田空港の国際航空貨物、その最前線で働くということ
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