特集/本誌より
石垣島&西表島旅行でANAのサービスを使いまくってみた
2日目。西表島への船旅に幸せを覚える
さて、2泊目のホテルを先に紹介してしまったが、時計を2日目の朝に巻き戻す。この日は西表島へと渡り、島内観光を楽しむことになっていた。
利用したのは、ANAトラベラーズ経由で購入できるアクティビティで、石垣島を発着して西表島を訪れ、仲間川のマングローブクルーズ、水牛車に乗って由布島に渡り、島内での昼食と自由散策の時間がある半日のコースだ。西表島の大原港と由布島の間のバス移動も料金に含まれているので、無駄なく移動できるのもうれしいところ。
その旅のはじまりは、石垣島の「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」からとなる。“ユーグレナ”の名称が付いているのは株式会社ユーグレナがネーミングライツを取得しているから。同社は石垣島でユーグレナ(すなわちミドリムシ)の生産を行なってバイオ燃料などへの活用を進めている、航空業界とも縁ある企業だ。
ユーグレナ石垣港離島ターミナルは竹富島、小浜島、黒島、鳩間島、波照間島、そして西表島といった八重山の各島を結ぶ船舶が発着する。今回利用するのは安栄観光が運航する高速船を使った便。カーフェリーを使った便も運航されている。
手続きはターミナル内にある石垣島トラベルセンターで行なうことができる。ANAやANAトラベラーズのロゴが大きく掲げられているのでひと目で分かる店舗だ。ここでツアー行程に沿って綴りになっている利用券を受け取り、高速船の出発を待つ。




搭乗したのは双胴船だった。3階建てでスマートなフォルムは、かなり大きめのクルーザーといった雰囲気。席は自由席で、1階と3階に屋内キャビン、2階の後部にベンチが並んだオープンデッキを備える構造だ。出港時は3階から前方を眺め、防潮堤を越えたあたりからはオープンデッキで景色を楽しんだ。
雲は多少あったものの、晴れといって差し支えないぐらいの天気。沖縄らしい青い海を、途中、竹富島、小浜島、黒島などを遠くに望みながら西表島へと向かう。時間帯もあったのだろうが、高速船、貨客船の往来が非常に多く、この地域にとって欠かせない交通インフラなのだと感じられる。一方で、波に包まれるように進む小型の高速船の姿もあり、搭乗した船の大きさゆえにオープンデッキで過ごせることに幸せも覚えたのであった。







港で簡単乗り継ぎ。仲間川のマングローブツアー
西表島の大原港へは1時間足らずで到着した。桟橋の先にあるのは「仲間港旅客ターミナルなかまりん」だ。そして次の目的地は徒歩1分未満。そのすぐお隣にある水中観光船管理棟である。
ここから仲間川のマングローブクルーズへと出発する。高速船の到着から、マングローブクルーズの出発まで10分ほどと少々慌ただしかったのだが、この距離なら焦ることもない。船から船へと乗り継いで再び出発だ。

マングローブは潮の満ち引きが水位に影響し、海水や、海水と淡水が入り交じる汽水にさらされるエリアで育つ植物のことである。潮の満ち引きによって土壌が水に沈んでしまうため、上へ上へと発達した根を持つ見た目は広く知られるところ。「マングローブ」は特定の植物の固有名詞ではなく、そうした植生を指す言葉で、それぞれの植物にはヤエヤマヒルギ、オヒルギなどの名前がある。
…と知ったふうな口ぶりで書いているが、実はマングローブクルーズでは案内人によるガイドが行なわれるので、その一部を受け売りしているに過ぎない。こうした基本的な知識はもちろん、マングローブ林を守るために大きな波を起こさないよう速度制限をしているといった環境面の情報など勉強になるお話、そしてその場に目に留まった鳥の話など当意即妙な豆知識も入れながら、1時間弱のクルーズの間、ずっとトークで楽しませてもらった。





島唄が響く水牛車に乗って由良島へ渡る
さて、大原港に戻ったら次のスポットへバスで移動する。目的地は、西表島から目と鼻の先にある小さな島、由布島だ。西表島と由布島の間は、歩いても渡れそうな浅瀬が広がっているが、ここは水牛車に乗って渡るのが定番だ。そのための水牛も由布島で育成されている。車両は大きさや車輪の数でいくつかのバリエーションがあり、8名から10名程度が乗れるようになっている。水牛によって牽ける荷台にも違いあるのだという。
乗ってしまうと、あとは御者さん任せ。由布島は目の前だが、水牛はのんびりと歩みを進める。御者さんの講話を聞いたあとは、その場で三線による弾き語りを聞かせていただいた。石垣島に来てからというもの、時間の進み方が変わったようにも感じていたが、さらなる鈍化を覚える。どこまでも時間はゆっくりと流れていくなか由布島へと上陸。時計を見ると出発から8分ほどの旅だった。






由布島は島全体が植物園として管理されており、森林が広がっている。ここでお昼ご飯をいただく。西表島産の古代米が入ったご飯に、由布島で手作りされた油味噌「アンダー味噌」を始めとする島料理の数々が幕の内風に揃った御膳で、一食で西表島を味わい尽くした気分だ。もちろん、そんな簡単に味わい尽くせるわけではないのだが。
食後はしばし島内を散策。食後のデザートをいただいたり、動植物を眺めたりしながら時間を過ごした。やっぱり時間はゆっくりと流れる。由布島から西表島へ戻る水牛車でも、さらにゆっくりと。この心地よい時間は南国の島ならではの感慨だ。
と語ってはみたものの、散策も実はポイント稼ぎ。ANA Pocketを入れてポイ活していると、その場に留まってボーッとしているだけだと損をしている気分になってしまうのだ。そんな時間を過ごす旅も好きなのだが、初めて訪れた土地で、積極的にいろいろなところへ行こうというモチベーションが自然に高まるのも、こうしたアプリが持つ面白いところだろう。











さて、再びバスで大原港へと戻り、石垣島へと帰る。当初の予定では、小浜島、竹富島を経由する便に乗り、往路の1.5倍ほどの時間を要する予定だったが、船の運用の関係で、急きょ石垣島への直行便に振り替えられることに。2つの島に上陸できるわけでもないので、往路と同じ50分~1時間程度で戻れる方がうれしい。
と思ったのもつかの間である。ぜひ思い出してほしい。往路で「波に包まれるように進む小型の高速船の姿もあり、搭乗した船の大きさゆえにオープンデッキで過ごせることに幸せも覚えたのであった」と書いていたことを。まさにその小型高速船の同型船だったのである。
もちろんオープンデッキはなく、船室のベンチに座っての船旅。窓には打ち付けてくる波。いや、この波はなかなか面白い。住めば都ではないが、端から見ると怖そうな船も、実際に乗ってみると意外に楽しめるのだから、やっぱり旅はいい。
こうして2日目の西表島・日帰りツアーを終えて石垣島へと帰還。このあと宿泊したホテルは先述のとおりだ。

そして羽田へ。旅を終えて感じた意外性
最終日の3日目は石垣空港から羽田空港へのフライトのみ。ANA FESTAでお土産を買ってマイルを貯めるなど、ここでもANAのサービスの恩恵を受けつつ、羽田空港へフライト。ANA Pocketでの移動距離もかなり溜め込んで石垣・八重山旅は幕を閉じた。
ANAの航空便、ANA Pocket、ANAグルメマイル、国内ホテルのANAマイル全額払いとその特典、ANAトラベラーズの現地ツアーと一挙に体験したが、飛行機だけではないあらゆる場面で“ANAを使う”ことができるというのは実際に試してみると意外でもあり、航空雑誌の編集者としては興味深くもあった。仮に旅程を組むときにマイルを使ったとしても、旅行中にいくばくかはマイルを貯めることができるような仕組みが、どんどん充実してきていると実感した。
これから夏休みの旅行を計画する人も多いだろう。本記事をきっかけに石垣・八重山も一つの選択肢として検討していただければ幸いであるし、そうでなくても上記のようなサービスを活用して少しでもお得に(そして便利に)旅を楽しんでいただければと思う。



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