特集/本誌より
ドルニエDo228という唯一無二の存在~小空港を結ぶ路線でいまなお重宝
月刊エアライン2025年5月号(3月28日発売)でお届けする「特集『いま世界の空を飛ぶ、最新の旅客機オールガイド』」のスピンオフ企画。世界の小空港を結ぶドルニエDo228の歴史と今を紹介します。

日本のリージョナルエアラインとして独自路線を展開する一社が新中央航空だ。世界的にも珍しいドルニエDo228NGを日本で唯一運用している。
ドルニエDo228は、元々ドイツのドルニエ社によって開発されたターボプロップ双発の19人乗りコミューター機で、同社が2002年に経営破綻したことで一時は生産が中止されたが、2010年に同型機の型式証明を有していたスイスのRUAGエアロスペース社がDo228NGの名で生産を開始。しかし、2020年にはRUAG社がDo228プログラムをジェネラル・アトミクス社に売却するという、複雑な歴史を辿ってきた機種といえる。
そんな機種を新中央航空が運用していることは非常に興味深い。同社が拠点とする調布飛行場や就航先の一つである新島空港の800m滑走路でも運用できるほか、調布を拠点に東京都の離島を結ぶ同社の路線に対して20席未満の座席数もマッチした。1999年からDo228の運航しているが、その後継機にもDo228NGを選定し、ローンチカスタマーになった。



世界中で運用されているDo228シリーズは100機未満と、機種としての規模も小さく、Do228NG以前の機体の経年化とともに減少傾向にある。しかし、今なおインドやネパール、ポルトガル、ガーンジー島といった一部の地域で運用が続けられており、新中央航空での運用例と同様に、各地の小空港同士を結ぶ路線での運航が多くなっている。
一方で、哨戒機や軍、警察などの機材として保有している国は依然として多く、インドやタイ、オランダ、フィンランド、イタリアなどで運用が行なわれている。特にインドでは、ヒンドスタン航空機社(HAL)がDo228の生産ライセンスを保有しており、ヒンドスタン228という型式で独自の生産も行なっていることから、同国で軍民問わず幅広く運用されている要因の一つとなっている。


エアライン 2025年5月号(2025年3月28日発売)
特集
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