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鈴与グループの航空事業を担う“エスエーエス”で働く、その責任とプライド

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発着機、貨物、そして乗客。その全てに安心・安全なフライトを。
富士山静岡空港は、静岡県の産品を全国に送る拠点ともなっている。浜松で収穫された花が、ていねいに新千歳行きのANA便に積み込まれていく。

貨物搭載、給油など同時進行で展開する出発シーンのドラマ

 こうして到着便の手荷物や貨物をすべて降ろしたあとは、出発便の手荷物や貨物を搭載していく作業に移行する。

 それと並行して、機体にはジェット燃料を積んだタンクローリーが横付けされ、主翼の下にある給油口から燃料を搭載する。ちなみに旅客機は必要以上の燃料を積むと重くなって燃費が悪くなり、CO₂の排出量が増えるなど環境に悪影響を及ぼすことになる。そのため基本的には満タンにすることはなく、必要な量だけを搭載する。

 旅客機の貨物ドアや給油口はそれぞれ干渉しない場所に設けられているため、作業を同時に行なうことで、到着から出発までの短い時間に準備を整えることができるのである。それに加えて、富士山静岡空港ではすべての地上作業を同じエスエーエスが行なっているため、スタッフ同士の息の合ったチームワークも美点だ。

 出発前の準備として、前脚にトーバーとトーイングカーを接続する。そして乗客の搭乗が完了したならば旅客搭乗橋を離脱させ、機体を誘導路まで押し出していく。押し出した位置でパイロットはエンジンを始動し、その間にトーイングカーは安全な場所まで離脱する。

 いよいよ滑走路へと向かう機内からは、ランプスタッフたちが手を振って見送ってくれる様子が見られるが、そこには「自分たちが責任を持って作業をした旅客機に乗って、安心して空の旅を楽しんでください」という思いが込められている。

到着便から乗客の手荷物を、一つひとつ丁寧に降ろしていく。このあとは、すぐに出発便への手荷物の搭載作業がスタートする。
機側での作業では、あらゆる場面で確認が重要だ。それが飛行機の、そして作業するスタッフの安全を守ることにも直結するからだ。
航空貨物はスピードが重要なので、通関などの事務作業にも迅速さが求められる。近年は国際通販などeコマースの貨物も増えているという。
喜んでいただけることの喜び、お客様とつながる航空貨物の現場

ランプ課/貨物課(兼務) 岩田英亮さん

「旅客機には、お客様からお預かりした手荷物以外にもさまざまな航空貨物を搭載しています。とりわけ国際貨物は輸入や輸出のための通関手続きが必要で、業務に就くうえで覚えなくてはならない専門知識が多くあります。簡単ではありませんが、さまざまな仕事ができるのもエスエーエスならではの魅力です。ランプ業務ではなかなかお客様と接する機会がないのですが、貨物業務では荷主さんやフォワーダーと調整や連絡を取る機会も多く、そうしたお客様に喜んでいただけたときには、とてもうれしく感じます」


安全なフライトの力になる。頼れる「航務」スタッフの使命

 航空会社に所属するディスパッチャー(運航管理者)は、当日の気象条件からどのルートをどんな高度で飛べば安全で快適、経済的であるかを判断してフライトプランを作る仕事だ。

 かつては空港ごとに地域を熟知したディスパッチャーが配置されていたが、現在では多くの航空会社で全国すべてのフライトプランを一括して作成・配信するのが普通になっている。とはいえ空港ごとに、その気象特性や注意点を熟知したスタッフがいればパイロットも心強い。

 そして富士山静岡空港では、エスエーエスの航務スタッフがそうした業務を担当している。また航務スタッフは飛行前の準備だけでなく、離陸後も運航状況を確認し、カンパニー無線を通じて飛行中のパイロットに最新情報を伝えるなどして安全運航の力となっている。

 また旅客機は出発に先立って、乗客の数や着席位置、手荷物や貨物の重さや搭載位置などから、安全に飛べる重量や重心位置に収まっているかを確認する必要がある。こうした「ウエイト & バランス」業務を行なうのも、エスエーエスの航務スタッフだ。もし重心位置が許容範囲内に収まらない場合には、荷物の搭載位置を変更したり、場合によっては乗客の座席を移したりするなどして調整することもある。

 さらに航務スタッフには、空港発着作業管理業務といって、飛行機を定刻に出発させるために、空港内の各部門および航空会社本社との情報交換や調整を行なう役割もある。空港における業務全体を見渡して、円滑な運航を行なうためのハブとしての使命も担っているのである。

入社して7 年間は旅客スタッフを務めていたという航務課の大石さん。まったく違う職種に挑戦するチャンスがあることもエスエーエスならでは。
FDA便のフライトプランは県営名古屋空港で一括して作られるが、さらに富士山静岡空港では、エスエーエスの航務課スタッフがこれから出発するパイロットに運航状況や上空の揺れなどの情報を提供している。
1便1便の発着に安心を、エスエーエスならではの重責

航務課 大石 朋さん

「学生時代の留学で培った語学力を活かせる仕事としてエスエーエスに入社し、旅客スタッフとして7年勤務しました。それまで航務の仕事についてはまったく知りませんでしたが、こうした経験ができるのもエスエーエスならではと思い挑戦することにしました。気象や航空工学などの教育を受け、業務に必要な航空無線の免許を取得。訓練を終えて一人立ちしたときには責任の重さに緊張しましたが、天気の悪いときにパイロットに情報を伝え、着陸後に感謝の言葉をかけられたときには『良かったな』という達成感があります」


航空会社の印象にも直結する。最高の空の旅のために働く魅力

 旅客ハンドリングを担当するグランドスタッフは、搭乗前の乗客が空港で最初に接するポジションである。その印象や対応次第で、空の旅を楽しくスタートできるかが決まってしまうといっても過言ではない。

 各航空会社のカウンターで発券や搭乗手続きを行ない、手荷物を預かり、車椅子などサポートが必要な乗客への対応も行なう。一方でグランドスタッフは、空の安全を守る保安スタッフでもある。預けられた手荷物に危険品がないかを確認し、搭乗ゲートではすべての乗客が確実に飛行機に乗り込むことを確認する。

 エスエーエスはFDAだけでなく、ANAや外国航空会社など、富士山静岡空港を発着する全社の旅客ハンドリングを受託している。国内他社や外国航空会社の業務を担当するときには、それぞれの航空会社ごとのルールを学んだうえで業務を行なう必要がある。

 たとえば無料で受託できる手荷物の数や重さは航空会社によって異なるし、同じ航空会社でも航空券の種類によって払い戻しの可否や手数料などが変わる。覚えなくてはならないことは多く、しかもそれらを間違いなく迅速に行なわなければならない。

 こうした業務を行なう場合には、FDAやANAのようにその航空会社の制服に着替えて乗客を迎える場合と、外国航空会社などエスエーエスの制服で担当する場合とがある。いずれの場合でも、そうした業務を行なうときにはその航空会社のスタッフとして気持ちを切り換えるという。どの航空会社の仕事であっても、最高の空の旅を楽しんでもらいたいという気持ちは同じなのだ。

旅客スタッフはチームで力を合わせる業務だ。各人が無線機で常に情報を共有し、協力しながら安全・定時の運航を目指している。
エスエーエスは富士山静岡空港に就航するすべての航空会社の業務を扱い、担当者は各社で異なるルールなどの教育を受けたうえで業務に就く。写真は韓国ソウル行きチェジュ航空のチェックイン風景。
夢を叶えた仕事。地元に愛され、世界の人たちが集う空港で

旅客課 植田彩那さん

「航空業界を目指す専門学校での在学中は、コロナ禍で深刻な状況でした。家族に心配され、自分自身も不安はありましたが、やはり成し遂げたいと思った夢を貫くことが大切だと思いました。エスエーエスは大きな会社ではありませんが、それだけにさまざまな仕事に挑戦することができます。また富士山静岡空港は、地元静岡県の人たちに愛される地域密着の空港だと実感することが少なくありません。今は外国航空会社の乗り入れも増え、たくさんの国の人たちに静岡の魅力を感じてほしいと思いながら仕事をしています」

“富士山静岡空港から全国13空港へ。マルチな業務範囲で運航を支えるプロ集団” エスエーエス(SAS)は、2009年の富士山静岡空港開港に合わせて誕生した空港地上支援業務のプロフェッショナル集団だ。同じく富士山静岡空港とともに設立されたフジドリームエアラインズ(FDA)と同様に、鈴与グループの航空事業の一翼を担っている。その業務内容は一般にイメージされる「グランドハンドリング」の言葉以上に多彩。信頼の仕事が今日も多くの航空機と乗客を迎え、安全・安心のフライトを生み出している。

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