特集/本誌より

JAL羽田=シドニー線で、ボーイング777-300ERを2クラス乗り比べ! ファーストクラス編

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一路、オーストラリア大陸を北へ進む

 ボーディングが完了したJL52便。本日のファーストクラスは満席のようだ。定刻通りにプッシュバックした機体は、ボタニー湾に張り出すように位置するRWY34Lへと向かう。着陸機を1機先行させたあとに滑走路へ入ると、2基のGE90-115Bエンジンが、特徴的な唸りをあげながら機体をぐんぐんと加速させる。午前9時35分、シドニーの空へと舞い上がった。

市街地のすぐそばに位置するシドニー国際空港。離陸後にはその街並みが綺麗に見えた。

 上昇中は大きな揺れもなく、すぐにシートベルトサインも消灯。通常ならばここからは映画でも見ながら機内食の提供を待つところだが、その前にファーストクラス限定で配布されるリラクシングウェアに着替えよう。

上下セットのリラクシングウェアは、専用の巾着袋付き。裏地のふわっとした優しい肌触りが心地良い。持ち帰りOKなのも嬉しいポイントだ。

 身なりもくつろぎモードとなったところで、機内食の時間となる。まずは1杯目のお酒、ここはシャンパンから始めよう。JALのファーストクラスといえば日本発便限定の「シャンパーニュ サロン」が有名だが、今回は海外発便限定の「ビルカール・サルモン」をオーダーした。

メニューには載っていないが、1杯目とともにアスパラガスの肉巻きと蟹のサラダが提供された。
料理とともにいただくパンは4種類から好きなだけ食べられる。アミューズは「冷製スパイスパンプキンスープ カニ、パンプキンシード、オリーブオイル」。テーブルはカトラリー1つ1つに至るまで、丁寧にセッティングしてくれる。
続いての前菜は「ペッパーマグロステーキのカルパッチョ 山葵クリーム、トリュフ醤油ソース」、「鴨ロースと生ハムのサラダ レンズ豆、無花果ドレッシング」の順に提供。
メインは魚と牛肉の2種。前者は「鱸のソテー フェンネルチャウダーソース」、後者は出発地オーストラリア産の肉を使用した、「プレミアムブラックアンガス牛のリブアイセロリピューレ、スモーク醤油ソース」だった。2〜3杯目のお酒は客室乗務員にお任せで、料理に合う白・赤の2種のワインをいただいた。魚と一緒に持ってきてくれたのは「ヴィルジニー・ド・ヴァランドロー・ブラン」、肉と一緒には「シャトー・ラグランジュ」。
コースを締めくくるデザートは「チョコレートムースケーキ&マンゴーパッションフルーツケーキ」。ストレートの紅茶とともに味わう。

収納も豊富なファーストクラスの座席を探索

 美味しい食事でお腹を満たしたところで、この広いファーストクラスの座席を少し探索してみることにした。座面幅約58cmの重厚なシートの周り、パーティションで囲まれたこの自分だけの空間には、さまざまな機能が詰まっている。

シート横のサイドテーブルを開けると、ノートPCやアメニティ類なども余裕で入る大きな収納。その横には航空機用電話とメガネ用収納、さらに前方には機内食のオーダーなども可能なタッチパネル式の個人用モニターのコントローラが備わる。すべてが木目調パネルの中に隠れていることで空間がスッキリとし、シート全体に統一感を与える。
その収納の開口部のすぐ下には、シートコントローラーが(写真左)。各ボジションへボタン1つで転換できるのはもちろん、部位ごとの微調整、さらにマッサージ機能まで備わっている。またサイドテーブル前方には、スマートフォンなどを入れておけるサイズのユニバーサル電源とUSB-A充電ポート付き収納も(写真右)。
前方のオットマンにはシートベルトが設置されており、同じファーストクラスの同行者と向かい合って食事をすることも可能。またオットマンの下にも収納スペースがある。
ファーストクラスに乗ってガッツリ仕事、なんて人は少ないだろうが、テーブルは16インチのノートPCを置いてもまだまだ余裕の大きさだ。
座席モニターは23インチの大画面。その手前に見えるのは収納された状態のテーブルで、ここから座席の前まで引き出すことができる。

 離陸からおよそ2時間半後の機内、食事サービスがひと段落し、周りの乗客もリラックスしている様子。中にはベッドモードで休む乗客も見え始めたが、お腹いっぱいにグルメを楽しんだ筆者は、座席を少しだけ深めにリクライニングさせてしばし食休み。映画でも見ようかと個人用モニターのプログラムを漁っていた時、客室乗務員が席にやってきて、機窓から綺麗な珊瑚礁が見えると教えてくれた。

オーストラリア北東部、ケアンズ付近の海岸線沿いで見えた珊瑚礁。シートピッチ、という言葉が適切かどうかもわからないほど広い空間のおかげで、窓3〜4つ分の景色を独り占めできる。

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お手洗いも特別仕様、戻ったら座席がベッドに様変わり