特集/本誌より

JAL羽田=シドニー線で、ボーイング777-300ERを2クラス乗り比べ! エコノミークラス編

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目が覚めると、もう朝食の時間。シドニーの街並みを横目に着陸

 着陸の2時間半ほど前、オーストラリア時間の午前4時半ごろ。機内が明るくなり始めたと同時に目を覚ます。外はまだ真っ暗だが、ケアンズの東の沖合を飛行しているようだ。眠い目をこすりながら体を伸ばしていると、2回目の機内食が配膳された。

2回目の機内食は、ベーコンにスクランブルエッグ、ポテト、温野菜、さらにパンとヨーグルト、デザートとしてフルーツがついた洋朝食。筆者好みの朝食で、日本時間の真夜中という時間ながら、あっという間に平らげてしまった。

 食後は紅茶を片手に、就寝前に見始めた映画に今度こそ没頭する。そして到着の1時間ほど前、機内が着陸の準備で慌ただしくなってきたころに、ナイトフライト最大の見どころである日の出を迎える。

どこまでも続く空、その向こうにある水平線から太陽が上る。何度見ても感動する絶景だ。

朝を迎えたシドニーを望むアプローチ

 美しい朝日が機内へと差し込むなか、機体は広大なニューサウスウェールズ州を北から南へ横断するように進み、降下を開始。シートベルトサインも点灯し、いよいよ長いフライトも終盤に差し掛かる。この日のシドニー・キングスフオード・スミス国際空港は北風運用で、一旦空港の西側を通過し、太平洋側から進入するようだ。

降下中には朝のシドニーの街並みを一望できた。写真中央付近が街の中心部で、そのすぐ左手にはハーバーブリッジやオペラハウスなどが見える。
続いてシドニー国際空港付近を通過した。長短2本の平行滑走路と横風用の滑走路を擁するオーストラリアの玄関口。写真中央、滑走路が交差する場所の左に見えるのが国内線ターミナル、下に見えるのがこれから到着する国際線ターミナルだ。

 海上に出た機体は、180度旋回。波打つ太平洋を横目に着陸体制に入った。そして羽田を出発してから9時間弱、シドニー国際空港で最長の滑走路、RWY34Lへとタッチダウン。長い胴体の777-300ERは、入り組む誘導路を右へ左へと慎重に進み、ほぼ定刻通り、34番スポットに到着した。

長旅を終え、翼を休めるJA736J。この後は2時間ほどで、再び羽田へ向けて折り返してゆく。

 眠っている間に、北半球から南半球へワープする。考えれば特別なことではないのだが、やはりどこか魔法のように思えてしまう。エコノミークラスでの9時間超えの長旅だったが、その疲れをあまり感じないのは、さすがは英SKYTRAX社に何度も世界一と認定されているJALのエコノミークラスだけある。

 オーストラリア滞在中は、ヒコーキ撮影や取材に励んだ筆者。前述の通り、帰国便ではファーストクラスを利用した。JALではフラッグシップだけが搭載を許されているこの最上位クラス。同社が誇るトップレベルのサービスとともに堪能したその特別な体験は、ファーストクラス編で紹介しよう。

いよいよ退役がスタートしたJALの777-300ER。フラッグシップの座こそA350-1000に譲りつつあるが、これまで同社国際線の顔として活躍してきた機体だけあり、そのプロダクトは今も色褪せない。エコノミークラス、そしてJALが誇る最上位のファーストクラスという2つのキャビンで、777-300ERの魅力を体感した。まずは、エコノミークラスから。 ※ファーストクラス編はこちら